デヴィ夫人の矛先は、一般人に向くことも多かった。
「番組収録中に、共演した一般女性をやはり平手打ちにしたこともありました。ブログでは、いじめを苦にしての自殺事件に触れて、その加害者側の母親として別人の写真を誤って掲載したこともあります」(前出・芸能関係者)
広告代理店関係者も、奔放なデヴィ夫人に手を焼いた過去があるという。
「コンビニの新商品発表会でそのコンビニに“行ったこともないし、聞いたこともなかった”と言い放ったのです。たとえ本当のことだとしても、クライアントの前では絶対に言ってはならない、失言中の大失言です。メディア関係者は爆笑していましたが、冷や汗が止まりませんでした」
デヴィ夫人はテレビ的な人
しかし、今回の「堕胎失言」騒動。センシティブな話題だけに多くの人を傷つけたから笑いごとでは済まされない。テレビ局側も自衛策を打ち出しているようだ。
「今回の事態を受け、局内には“デヴィ夫人をキャスティングしたい場合は上長に確認をすること”という通達が回りました。しかし、“決してキャスティングがNGというわけではない”とも併記してありました。つまり、あくまでも注意喚起なんです。これからもデヴィ夫人はキャスティングされ続けると思いますよ」(前出・テレビ局関係者)
なぜなのか。その理由を別のテレビ局関係者がこう解き明かす。
「デヴィ夫人はとにかくテレビ的な人なんです。歯に衣着せぬ発言がウケることもよくわかっている。サービス精神が旺盛で、マスコミ対応も悪くないし、普通ならNGと言われそうな企画も、OKしてくれる。それでいて、やはり“元大統領夫人”という圧倒的な肩書はあらがえない魅力です。
その肩書が、丁寧な口調と相まって発言に重みを与えているのです。だからこそ、言説が過激でもそれが大きな批判には発展しづらい。こうした特性を持つ人はごく限られており、女性ではデヴィ夫人、男性では橋下徹元大阪市長といったところです」
トラブルメーカーだとしても、使いやすいからオファーが途切れない。テレビマンの倫理観が問われかねないが、そもそもなぜ、一国の大統領に嫁ぎ、海外の社交界で生きた女性が長い間、日本のテレビにひっぱりだこなのか。