芸能

80年代金妻ブームの影響 妻たちが自ら恋を選択する時代に

金妻シリーズはなぜ注目を集めたのか(『恋する母たち』に出演する吉田羊、時事通信フォト)

金妻シリーズはなぜ注目を集めたのか(『恋する母たち』に出演する吉田羊、時事通信フォト)

 子供を持つ母たちの恋を描くドラマ『恋する母たち』(TBS系)が初回視聴率10%を超え、放送後に「次回が待ちきれない」などと主婦たちの熱狂を呼んでいる。現実世界の不倫スキャンダルは致命傷となるが、ドラマの中の不倫は多くの視聴者の注目を集めているいるのだ。

 これまで、名だたる女優が「背徳の妻」を演じてきた。1980年代に入ると、「不倫」という言葉が定着する。そのきっかけとなったのが、いしだあゆみ(72)、小川知子(71)、石田えり(59)らが出演した『金曜日の妻たちへ』(TBS系、1983年)である。

 舞台は東京郊外の新興住宅地・多摩ニュータウン。団地時代からつき合いのある3組の夫婦が、「少し遠くても一戸建てに住みたい!」という夢を叶え、ほぼ同じ時期にニュータウンに越してきたところから物語は始まる。

 夫の村越隆正(竜雷太・80)が若いモデルの沢玲子(石田)と不倫していることを知った英子(小川)は、あろうことか中原久子(いしだあゆみ)の夫・宏(古谷一行・76)と肉体関係を結んでしまう。

 さらに宏を奪おうとする謎の美女・斉藤佳代(佳那晃子・64)が夫婦の仲を裂こうと、不倫を久子に密告……と、次から次へと愛憎劇が展開していくのだ。経済アナリストの森永卓郎氏は「『金妻』は本当に衝撃だった」と話す。

「時はバブルに差しかかる時期で、キレイに区画整理された町並みの一軒家はみんなが憧れる設定だった。そこで暮らす、一見幸せに見える普通の夫婦たちが『不倫』という秘密を抱えている。しかし、不倫は、したいと思ってもそう簡単にできるものではありません。だからこそ人々を惹きつけたのでしょう」(森永氏)

 かくして“金妻ブーム”が巻き起こり、妻たちは夫以外の男性に“よろめく”弱い存在ではなく、自らの意志で男性との恋を“選択”する強さを持つ存在になっていったのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン