『チェリまほ』ファンを公言するライターの横川良明氏は、ヒットを飛ばす実写BLドラマの共通項をこう分析する。
「近年、男性同士の恋愛を描いた作品は国内外で人気を博していますが、ヒットのポイントは少女漫画のようにピュアでハートフル、そしてクスッと笑えるところ。初々しくも楽しい恋模様が、観る人たちに癒しとときめきを与えてくれているのだと思います」
その上で、横川氏は『チェリまほ』という作品の魅力を熱弁する。
「『チェリまほ』が愛されるのは、まずラブコメとしてとってもキュートだから。マフラーを巻いたり、エレベーターをこじ開けたり、怪我の手当てをしたり。思わずドキッとする定番のシチュエーションをシネマライクな映像美で描いてくれるので、甘い夢を見るような気持ちになれます。『心が読める』という設定ですが、安達がその能力を濫用することもないですし、黒沢も自分の愛情を押しつけず、まずは安達の気持ちを優先してくれるので、見ていて心が温かくなるんですよね。赤楚さん、町田さんのビジュアルのバランスも良く、どんどん愛らしくなる赤楚さん、スマートだけどコミカルな町田さんと、役にもバッチリはまっています」(横川氏)
癒しとときめきを与えてくれる……というのが、ヒットのポイントであるならば、『チェリまほ』はその条件をばっちり満たしている。はたして日本発の『チェリまほ』は、“アジア実写BL”の代表格へと成長することができるか。
●取材・文/原田イチボ(HEW)