芸能

時代劇研究家が鬼滅ファンにすすめる「泣ける時代劇」とは?

泣ける時代劇として有名な『十三人の刺客』(公式HPより)

泣ける時代劇として有名な『十三人の刺客』(公式HPより)

『鬼滅の刃』ファンにもぜひ見てほしいと時代劇研究家が語る時代劇作品があるという。それは『十三人の刺客』だ。なぜこの作品が鬼滅ファンにおすすめなのか? コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 快進撃が続く映画『鬼滅の刃 無限列車編』。コミックも映画もコラボ商品も大ヒットし、その経済効果は2000億円ともいわれる。私も23日まで開催されていた京都南座の「『鬼滅の刃』×『歌舞伎の館』」展に出かけ、400年以上の歴史と多彩な演目(鬼退治や蜘蛛の化け物と戦う話もある)を持つ歌舞伎にも通じる「鬼滅」のパワーを実感してきた。

 鬼に家族を惨殺され、唯一生き残った妹・禰豆子も鬼にされてしまった竈門炭治郎が、鬼を抹殺する集団「鬼殺隊」に参加し、厳しい闘いに挑む。炭治郎が出会う魅力的な仲間、強烈な鬼たち、熾烈な戦いの描写など、作品の魅力は数多いが、多くのファンは、「泣ける」と語る。本来、心優しい少年・炭治郎が、妹を人間に戻すという願いのために、鬼に刃を振るう。その切なさとともに、凶悪な鬼たちにも鬼となった「事情」があり、その哀しみが心を打つのである。

 こうした現象を見て、時代劇研究家として感じたのは、『鬼滅の刃』ファン、特に若い世代は、時代劇で泣いたことがあったろうか?ということだ。『鬼滅の刃』は大正時代を舞台にしたダークファンタジーなので、江戸時代の話が多い時代劇とは雰囲気も、技も根本的に違うのだが、命を断ち切る切なさ、相手との関係性で泣ける時代劇はいろいろある。

 11月28日にNHK BSプレミアムで放送される『十三人の刺客』もまさしく「泣ける時代劇」として有名な作品だ。

 始まりは、明石藩の家老が藩主・松平斉継(渡辺大)の暴君ぶりを訴えて割腹自決したこと。斉継は将軍の弟。絶対権力の身内であることをいいことに多くの人を泣かせている。近く老中就任が決まっており、このままでは天下万民が苦しむと危惧した筆頭老中・土井(里見浩太朗)は、御目付役・島田新左衛門(中村芝翫)に斉継暗殺を指令。新左衛門が密かに集めた刺客たちは、中山道の宿場町を丸ごと改造し、斉継の大名行列を追い込んで死闘を繰り広げる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン