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2020.11.24 16:00  NEWSポストセブン

時代劇研究家が鬼滅ファンにすすめる「泣ける時代劇」とは?

 重要なのは、斉継の守りのリーダーが、新左衛門の親友であり、剣のライバルでもある鬼頭半兵衛(高橋克典)であることだ。鬼のような藩主でも守らなければならない半兵衛は、部下たちを巻き込んで親友と殺し合うことになるのである。二人の知力を尽くした攻防はすさまじい。

『十三人の刺客』のオリジナル映画が公開されたのは、昭和38年(1963年)。この映画については、さまざまな逸話がある。お蔵入りになったある映画の穴埋め作品であったこと。よって、ギャラの安い俳優陣を予定されたが、あまりに脚本が優れていたため、トップスター片岡千恵蔵が新左衛門役をやると申し出たこと。終盤の殺陣シーンは日本映画史上最長といわれることなどなど。当時、それほどヒットしなかったのに、今も映画ファンのアンケートでは上位に入り、映画、ドラマ、舞台と何度もリメイクされている。

 こうした逸話について、私は、オリジナルの脚本を手がけた故・池宮彰一郎さんに取材した。印象的だったのは、当初は十三人が刺客になった「事情」を各々細かく書き込み、脚本は膨大な量になったという話だ。出征経験者である作者が、理不尽ともいえる戦いに挑む事情、痛みを描いたからこそ、この作品は泣ける。時代劇に親しんだことのない人にも、おすすめしたい。

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