それからしばらく経った後、バラエティ番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でこのフレーズを披露したら一気にブレーク。2016年末に放送された同番組の流行語大賞で第1位に輝くとともに、2018年上半期の『JC・JK流行語大賞』(コトバ部門)でも第4位に選出された。
なぜ「クセがすごい」はここまでウケたのだろうか。お笑い評論家のラリー遠田氏はその理由を次のように解説する。
「ノブさんのツッコミの特徴は大きく分けて2つあります。1つは『◯◯じゃ』『◯◯せい』といった岡山弁混じりのフレーズを粘り気のある言い方で発すること。もう1つは『クセがすごい』のように、独特の表現や例えを駆使することです。
『クセがすごい』が面白いのは、それ自体がノブさんの考えた新しいフレーズであるにもかかわらず、何となくそのニュアンスが伝わって納得感があるからでしょう。『実はよくわからないけど何となくわかるかもと思わせる』という絶妙なところを突いてくるのが魅力的なのです」
コンビ結成から今年でちょうど20周年を迎えた千鳥。岡山弁混じりの独特の表現でファンを笑いの渦に巻き込み続ける彼らは、お笑い界をどんな方向に持っていってくれるのだろうか。
●取材・文/細田成嗣(HEW)