スポーツ

広澤克実氏が明かす「外様を気にするのは巨人より阪神だ」

菅野がメジャーで通用するかは「変化球」がカギに

菅野がメジャーで通用するかは「変化球」がカギに

 日本シリーズでは、昨年に続いてソフトバンクの分厚い打線・投手陣との差を痛感させられた巨人。かつては、他のチームのエースと4番を集めて顰蹙を買った時代もあったが、もはやそれも過去の話。近年は他球団のスターを呼び込む巨人ブランドの引力も衰え、逆に長野久義や澤村拓一など生え抜きの中心選手を放出するケースも増えた。

 目下、去就が注目されるのは、押しも押されもせぬ大エースになった菅野智之だ。2021年オフには海外FA権を獲得するため、メジャー挑戦が決定的と見られており、早ければ今年のオフにポスティング制度を利用して渡米するという観測も出た。『週刊ポスト』(11月27日発売号)では、菅野がメジャーで活躍できるかを含め、巨人を出て成功する選手、失敗する選手の特徴について特集している。

 その特集で、「元巨人」のブランドが重荷になることを指摘したのが広澤克実氏だ。1985年にドラフト1位でヤクルトに入団し、1994年オフにFAで巨人に移籍。代打起用が増えた1999年オフには、自ら希望して自由契約となり、阪神に移籍した。3つの球団で4番を務め、「他球団の主軸から巨人入り」と「巨人の主軸から他球団に移籍」という、どちらのケースも経験している珍しいキャリアの持ち主である。広澤氏は、巨人から他球団に移籍する難しさをこう語る。

「巨人から出て成功している例は多くありません。澤村や大田泰示の活躍が目につきますが、例外的にうまくいったケースが大きく報じられている印象です。巨人の有名な選手が移籍してくると、受け入れる側の選手が身構えてしまう雰囲気があり、本人も溶け込みにくくなって活躍できないのでしょう」

 ただし、メジャー移籍の場合は事情が違う。メジャーで「巨人ブランド」が特別扱いされることはないから、本当の実力勝負になる。広澤氏は、菅野がメジャーで通用するかどうかは、よく指摘される中4日、長距離移動などのストレスではなく、変化球が通用するかどうかだと指摘する。

「菅野のすごさは多彩な変化球を自在に操れることです。彼のストレートでメジャーのバッターを抑えるのは大変ですが、右でも左でも、インコースにもアウトコースにも曲がる球を持っていることは大きい。変化球のコントロールもいい。日本では、右にも左にも曲げられるピッチャーは実は珍しい。これが通用するかどうかがメジャーで活躍するカギでしょう。体力の問題は、中4日で162試合をこなすことはできると見ています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
《土葬墓地建設問題》「外国人の排斥運動ではない」前外相・岩屋毅氏が明かす”政府への要望書”が出された背景、地元では「共生していかねば」vs.「土葬はとにかく嫌」で論争
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン