この一連の攻撃については、10月半ばに、サイバーセキュリティ企業の調査によってインターネットの地下空間にある「ダーク(闇)ウェブ」という掲示板サイトで初めて確認された。ダークウェブとは、サイバー攻撃者たちが連絡を取り合うインターネット奥深くにある地下ネットワークだ。掲示板では、サイバー攻撃で得られた個人情報などが出回り、攻撃に使われるウイルスなどの売買も行なわれている。各国情報機関やセキュリティ企業は、その空間に潜入して攻撃の実態把握に乗り出している。
今回の件について政府の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)に尋ねると、「そうした個別の案件については公表していない」との回答だった。
隣国からこぞってサイバー攻撃の対象にされるようでは、菅首相の掲げるデジタル改革など絵に描いた餅だ。
●取材・文/山田敏弘(国際ジャーナリスト)
※週刊ポスト2020年12月11日号