民間企業にはない警察ならではの費用負担もある。

「私服警官には背広や靴が支給されます。背広はオーダー品ですが、生地は前シーズンの売れ残り。私は、指紋採取用のアルミニウム粉末がついたスーツを通勤時に着るのが嫌で、自前のスーツで出勤、職場で支給品に着替えていました(笑い)。靴は紐のない“スリッポン”が支給されましたが、毎日、靴底を減らして歩く仕事なので、自分の足に馴染む靴を私費で購入していました」(小川氏)

 今年7月、2015年から5年間にわたり捜査費約13万円を騙し取ったとして、警視庁捜査一課の男性警部補(40代)が書類送検された。捜査費の私的流用は57回に及んだとされる。単純計算すると1回あたりの流用額は約2300円。懲戒免職となった元警部補は「将来に備え少しでも節約したかった」と供述したという。この元警部補は人生を棒に振ってしまったが、本当に必要な経費であれば自腹ではなく捜査費で賄える仕組みがあったほうがいいのかもしれない。

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