スポーツ

同じエージェントの騎手が重なるレースに着目して見えるもの

エージェントを通して見えるものもある

エージェントを通して見えるものもある

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家で、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、陣営(馬主さん、厩舎、生産牧場)と騎手を仲介するエージェント(騎乗依頼仲介者)に着目してレースを見直し、どのように馬券検討に生かすかについてお届けする。

 * * *
 同じ厩舎からの多頭出しは珍しくはないし、馬主さんの愛馬が揃って同レースを走ることも多々ある。それは馬柱を見ればすぐに分かるわけだが、隠れている重複もある。同じエージェント(以下age)の騎手が重なるレースだ。

 騎手は勝てる馬に乗りたい。ageは仲介馬の勝利でインセンティブが得られる。両者の利益は一致するから、まあそれほど重複はないだろうとレース結果を眺めはじめた。ageを介さない騎乗もあるだろうが、いやはや、びっくりするほど多いのだった。馬券検討に役立つかもしれないと面白くなってやめられなくなり、2020年4月から11月半ばまでのデータを取ってみたのである。

 リーディング上位騎手を含んだ13のグループ(G)。新馬と未勝利を除く平場の1244レースを振り返ると、934レースに重複があった。3場開催時の地方ではあまり重ならず、関東、関西が混み合うのである。手作業で時間を要したものの、おかげで騎手のage分けがほぼ暗記できた。

 やはり目立つのは「ルメール、武豊、浜中、泉谷」の豊沢信夫氏G。このうち2人揃ったのは184レースもある。看板騎手だから共演は当たり前なのかもしれない。さらに3人出馬が46回、4人揃ったレースも7つあった! 6月27日阪神12Rではルメール、武豊、浜中のワンツースリー(単勝人気は1人、6人、3人)。泉谷は11着(13人)。勝つ馬は1頭だけ。勝ち鞍を喰い合っているようにも見えるわけだが……。

「福永、岩田親子、小崎」の小原靖博氏Gも、2人揃い140回、3人が34回、4人勢ぞろいが1回と気を吐いている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト