日本の迎撃態勢と人員配置の備えは

 日本の弾道ミサイル防衛(MD)は、海上自衛隊のイージス艦が搭載している迎撃ミサイル「SM-3」によって大気圏外で迎撃し、打ち損じた場合は、航空自衛隊の地対空誘導弾「PAC-3」で破壊するという二段構えとなっている。

 前述した、2012年4月の人工衛星打ち上げと称した弾道ミサイル発射の際には、北朝鮮はロケット(ミサイル)の1段目は黄海、2段目はフィリピン東方沖の太平洋に落下すると予告していたため、迎撃することになる事態としては2段目の故障や事故でミサイル本体や部品が日本の領海・領土に落下する場合となる。

 北朝鮮の発表どおりなら、沖縄・先島諸島上空を通過することが予想されたため、イージス艦3隻(東シナ海へ2隻、日本海へ1隻)を配備した。さらに、PAC-3を石垣島(新石垣空港)、宮古島(宮古島分屯基地)、沖縄本島(恩納分屯基地、知念分屯基地)に配備した。

 東倉里と東京を結ぶ日本海にイージス艦1隻を、さらに首都圏(市ヶ谷の防衛省敷地内、習志野、朝霞の陸上自衛隊駐屯地)へPAC-3を配備したのは、万が一、北朝鮮の弾道ミサイルが東京を狙って発射された場合に備えてのことであった。

 また、陸上自衛隊員700人もあらかじめ配備された。石垣島450人、宮古島200人、与那国島50人など計700人で、このうち400人は被害確認や住民救助にあたることになっていた。

 当初は陸自だけで750人規模だったが、仲井真弘多・沖縄県知事が「適正規模を」と求め、身内である防衛省内からも「やり過ぎ」との声が上がったことを考慮した(引用元/「毎日新聞」2012年4月10日)。もし、ミサイルの破片などが落下した場合、これくらいの人員を配備しなければ、最悪の事態に対処できないのだ。

 一方、北朝鮮は、日米韓が迎撃態勢を取っていることに「(迎撃は)戦争行為であり、破滅的な悪影響をもたらす」と警告を発するなど強く反発している。この時は「打ち上げ」予告期間が近づくにつれ、緊張が高まった。

 北朝鮮の祖国平和統一委員会の報道官は朝鮮中央通信を通じて、「どんな口実だとしても、われわれのロケットの残骸に対する迎撃や回収をするなら、無慈悲な攻撃で断固懲罰する」と発言、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」も「米国が人為的に事態を悪化させている」と批判した。

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