弾道ミサイルは日本上空を過去6回通過していた
北朝鮮の弾道ミサイルはこれまでに6回、日本列島の上空を通過している。幸い、ミサイルの本体や破片などが落下することはなかったが、今後も何事もなく通過するとは限らない。北朝鮮の弾道ミサイル発射実験は、日本にとっては大きな脅威である。
以下は、これまでに日本上空を通過した北朝鮮の弾道ミサイルの概要である。
・1998年8月31日、北朝鮮のミサイルが初めて日本を通過した。北朝鮮東部・大浦洞地区から発射された長距離弾道ミサイル「テポドン1号」の一部だった。この時、北朝鮮は「衛星打ち上げ」に成功したと発表した。飛翔距離は約1600キロだった。
・2009年4月5日、「テポドン2号」またはその改良型が、北朝鮮東部・大浦洞地区から発射され、秋田県と岩手県の上空を通過した。飛翔距離は3000キロ以上。この年、日本は初めて「弾道ミサイル破壊実施措置命令」(破壊措置命令)を発令した。これは弾道ミサイルなどが日本に飛来した際に迎撃するための命令である。
・2012年12月12日、北朝鮮西部・東倉里から発射された、事実上の3段式の長距離弾道ミサイルが沖縄・先島諸島付近の上空を通過し、2段目が太平洋上に落下した。飛翔距離は約2600キロ(2段目落下地点)。
・2016年2月7日、北朝鮮西部・東倉里から発射された、長距離弾道ミサイルが沖縄上空を通過。飛翔距離約2500キロ(2段目落下地点)。
・2017年8月29日、順安(平壌国際空港)から発射された火星12号が、北海道上空を通過し、襟裳岬の東・太平洋上に落下した。飛翔距離は2700キロ。
・2017年9月15日、順安(平壌国際空港)から発射された火星12号が、北海道上空を通過し、襟裳岬の東・太平洋上に落下した。飛翔距離は3700キロ。
なお、北朝鮮・平壌からグアムまで約3400キロであることから、少なくともグアムを攻撃可能なことは証明された。今後は、米国本土を攻撃可能なことを証明するために、より長距離の発射実験に踏み切るかもしれない。