芸能

追悼・筒美京平さん 岩崎宏美と早見優が語る昭和の歌謡界

早見優、岩崎宏美

筒美京平さんの手掛ける曲を歌ってきた早見優と岩崎宏美

 日本の歌謡界にその名を深く刻む、偉大な作曲家・編曲家の筒美京平さん(享年80)が、2020年10月7日に誤嚥性肺炎で亡くなった。数々の名曲を生み出してきた筒美さんの訃報に、青山学院大学の後輩である、放送作家でコラムニストの山田美保子さんも大きなショックを受けたという。

 そんな山田さんが、筒美さんの名曲を歌ってきた岩崎宏美(62才)と早見優(54才)を迎え、筒美さんとの想い出や当時の歌謡界について聞く。

先生の代表曲には洋楽テイストが入ったものが多かった

早見:お忙しくて私の頃はレコーディングにはいらしていただけなくて、事務所の音楽出版のスタッフと打ち合わせをして曲を作ってくださっていたんです。でもやっぱり、スタッフも言ってました。「京平先生はシャイなかただから」って。いま、こうして楽曲リストを見せていただきながら感じるのは、ジャンルの幅が本当にお広いということなんです。

庄野真代サン(65才)の『飛んでイスタンブール』とか宏美サンの『シンデレラ・ハネムーン』、それにジュディ・オングさん(70才)の『魅せられて』など、先生の代表曲には洋楽のテイストが入った曲も多い。あの時代は、AMラジオの『FEN』(米軍極東放送網)を聴くぐらいしか方法がなかったし、情報収集も大変だったと思うのに、先生は高いアンテナを張っていらしたんだなぁと……。

岩崎:そうね。新しい音楽を誰よりも早く手に入れていらした。そういうカッコイイ曲を1960年代後半のグループサウンズの時代から作っていらっしゃる一方で「パーマン」(『パーマン2号はウキャキャのキャ』)や「怪物くん」(『おれは怪物くんだ』)、『サザエさん』などアニメのテーマ曲も作っていらっしゃる。それはもう、お忙しかったわけですよね。

山田:でも、先生の曲を聴いていた私たち視聴者も忙しかったんですよ。まだビデオがなかったから、全部、リアルタイムで見ていました。しかも私は、郷ひろみサンのバックに付いていたジャニーズJr.第1期生の追っかけだったときがあって、特に月曜日の目まぐるしさは忘れられません。まず渋谷公会堂で『NTV紅白歌のベストテン』(日本テレビ系)の席をキープして、追っかけ仲間とコールの練習をしてからお隣のNHKホールに行って『レッツゴーヤング』の公(開)録(画)を見て、また渋公に戻って『歌のベストテン』を見て、慌てて帰宅して『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)を見ていたという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン