遡ること2020年1月にはソロアルバム『20200101(ニワニワワイワイ)』をリリース。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4月に予定していた初のソロコンサートは中止されたものの、予定されていた会場がさいたまスーパーアリーナだったという点に、香取のソロ歌手活動に対する本気度の高さが感じられる。
それだけではない。同年1月に開設した公式YouTubeチャンネルも登録者数40万人超と好調だ。投稿する動画の内容は、“しんごちん”というコミカルなキャラクターに扮したものに、人気楽曲のカバー、自身が制作したアートについて語ったものと多岐にわたる。まるで香取慎吾という表現者の、多彩なアイデアが渦巻く頭の中をのぞいたようなチャンネルだ。
テレビに帰ってきた俳優・香取慎吾
SMAP時代から表現することへの欲求が強かった香取だが、その情熱は今、溢れ出して止まらないようだ。そんな香取が久々のドラマ出演で何を見せてくれるのか? SMAPファン歴は20年以上に及び、『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)という著書を持つライターの乗田綾子氏が、“俳優・香取慎吾”の魅力を語る。
「香取さんはキャリアの出発点がアイドルグループの末っ子だったこともあり、一般的には明るく天真爛漫なイメージが強いですが、その一方で、ドラマや映画の世界では、時にものすごく成熟した表情・演技を見せることがあるんです。
アイドルとして華やかなスポットライトを浴びながら、一方では子どもの頃から絵画制作や美術鑑賞など、人間の繊細な心理描写が好きという内面も持ち合わせていました。映画監督の阪本順治さんが香取さんの魅力を『太陽と月』に例えていたことがあるのですが、香取慎吾の俳優業とは、彼の『月』の部分が観られる興味深い機会だと思います」(乗田氏)
乗田氏は、香取がついに民放ドラマという場に帰ってきたことに期待をかける。