芸能

加藤登紀子 コロナ禍で気づいた「熱中すること」の大切さ

な加藤登紀子

コロナ禍での暮らしの変化を語った加藤登紀子

「いまは『一緒に歌ってね』って言っちゃいけないっていわれてるけど、歌は声を出さなくても歌えるから! 歌は心で歌うものですからね!」

 マスク姿の観客が声を押し殺して拍手をするコンサート会場。定員の50%以下に抑えられた客席を見渡しながら、加藤登紀子(77才)は目頭を熱くした。

 昨年6月28日、コロナ禍で中止や延期が相次いでいた音楽業界で、先陣を切ってコンサートを開催したのが加藤だった。

 加藤がコンサート開催に踏み切った昨年6月、緊急事態宣言は解除されたものの、学校は休校が続き、飲食店も時短営業、職場もテレワークなど、日常生活に戻るまではほど遠い状況が続いていた。加藤が当時を振り返る。

「コンサートまで1か月と迫る頃、都が発表したガイドラインを見て、それに沿えば開催できると判断したの。飛び上がるほどうれしかった。本当に迷ったし、心配し、一度は無理だと考えもしたけど、目標を決めたら策を練って前へ進むのみ」(加藤・以下同)

 会場は東京都渋谷区の『Bunkamuraオーチャードホール』。客席数約2000席を半分以下に制限し、前後左右を1席ずつ空けた。観客にはマスク着用、手指消毒、検温、入退場時の距離の確保、さらには連絡先の記入をお願いすることとなった。

「いくら感染防止対策を徹底してもリスクがないわけじゃない。それでもたくさんのかたが集まってくれました。お客さんはマスクをして声を出しちゃいけない異例のコンサート。そんな中で私がしゃべると深くうなずいてくれたり、歌に合わせて手を振ってくれ、体全体で表現してくれて。隅から隅まで、集まってくれた人たちの思いが伝わってきて胸が熱くなりました」

『百万本のバラ』、『愛の讃歌』、『知床旅情』など全14曲を熱唱。最後は観客と一体になって“エアハイタッチ”で締めくくり、自粛後初となるコンサートは成功を収めた。このコンサートを境に、音楽業界ではライブやイベントが徐々に開催されるようになった。

 本来、2020年は加藤にとってデビュー55周年を迎える記念の年だった。しかし、コロナ禍でコンサートは軒並みキャンセル。4~6月の3か月で20本近くのコンサートが中止となり、テレビの仕事もキャンセルになった。

「3月の鹿児島でのコンサートを最後にスケジュールは真っ白。4月からは事務所も閉め、3か月近くステイホーム。3食をすべてひとりで食べるようなひとり暮らしは初めてのこと。あの期間はとても衝撃的でした」

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