国内

大甘の見通しでコロナ自粛延長濃厚 東京五輪は中止不可避か

バッハIOC会長(左)と菅義偉首相は五輪開催に前のめりだが…(写真/AFP=時事)

バッハIOC会長(左)と菅義偉首相は五輪開催に前のめりだが…(写真/AFP=時事)

 国民世論はもちろんのこと、感染対策の専門家からも、政権を支えるはずの財界や霞が関、さらには自民党内からも、“この総理ではダメだ”という冷ややかな声が噴出している。実は日本社会にとっての「本当の悲劇」は、求心力が低下した菅首相が総理の座にしがみつき、政権トップに居座り続けるというシナリオだ。

 中途半端な甘い見通しで“経済優先”にこだわり、新型コロナの感染拡大を抑え込めない失政を繰り返せば、日本社会は致命的なダメージを負う。リーダーシップを発揮せず、国民生活を危機に陥らせる政権に対して、有権者が〈さらば菅総理〉と怒りの声を突きつけない場合、この国に何が起きるのか。

「1か月後には、必ず事態を改善させる」。緊急事態宣言の発出にあたり、1月7日の記者会見で菅首相はそう大見得を切った。だが、昨年来の判断ミスが招いた事態だけに、その言葉を信じている人はほとんどいない。

「感染拡大防止の“急所を押さえる”といいながら、飲食店以外にも時短対象業種を広げるかなど、宣言発出のギリギリまで方針が定まらなかった。しかも、1都3県への発令後すぐに、大阪・兵庫・京都の3府県の知事からも宣言の発出を要請されるなど、後手後手の対応が続いている。結局、経済への影響ばかり気にして“小出しの対策”になってしまい、感染防止策の効果が限定的になっている」(厚労省関係者)

 2月7日に緊急事態宣言を解除できるかについては、感染状況が4段階中2番目に深刻な「ステージ3」相当を目安に判断するというが、実現の目処は立っていない。政治ジャーナリスト・角谷浩一氏はこういう。

「菅首相はなんとか宣言解除に動こうとするだろうが、年末年始を前に策を講じず感染者が爆発的に増えた失態があるので、相当抑え込まない限り、解除は難しいだろう。ズルズルと延長せざるを得なくなる公算が大きい。延長の可能性を問われ“仮定のことは考えない”と言い放った菅首相ですが、いよいよ追い込まれていく。昨年同様、3月以降の各種イベントの延期や中止も取り沙汰されるようになるでしょう」

 感染「第1波」のさなかにあった昨年3月には、プロ野球が開幕延期、Jリーグが試合開催延期となり、春のセンバツ高校野球は中止に追い込まれた。

 焦点となるのが「夏の東京五輪」だ。昨年は3月24日に「1年延期」が決定された。森喜朗・五輪組織委会長や二階俊博・幹事長は「開催ありき」の発言を繰り返しているが、世界各国が感染拡大に苦しむなか、国内の論理だけでの強行開催はできない。

関連記事

トピックス

初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン