ライフ

江戸東京博物館【4】鹿鳴館の模型に壇蜜「文明開化の風を感じた」

「鹿鳴館」の模型を眺める壇蜜(復元年代明治18年11月)

「鹿鳴館」の模型を眺める壇蜜(復元年代明治18年11月)

 美術史家で明治学院大学教授の山下裕二氏と、タレントの壇蜜。日本美術応援団の2人が、日本の美術館や博物館の常設展を巡るこのシリーズ。今回は東京・墨田区の東京都江戸東京博物館の第4回。2人が江戸時代からの文化や人々の暮らしぶりが分かる常設展示を見て回る。

山下:東京都江戸東京博物館の常設展示室の入口を飾るのが、江戸時代の「日本橋」。長さは半分、幅は実物大で復元されています。

壇蜜:浮世絵にも描かれるお江戸の日本橋は広かったんですね。館内には江戸時代から現代までの東京の文化や歴史が展示されていますが、模型のスケールに圧倒されます。どれもがリアルで緻密さにも感動です。

山下:展示のクオリティが高く、日本一贅沢な常設展示だと思います。お宝コレクションを目玉にする博物館とは異なり、復元模型や実物大展示で江戸と東京の人々の暮らしを体験できる施設をコンセプトとしているため、手間をかけて徹底的にリサーチして丁寧に復元、展示している。

「三井越後屋江戸本店」の模型も店前売りやお茶出しする子供のいきいきとした仕草、町人の衣服や表情の動きまで絵巻などを参考にこだわり抜いて作り込んでいます。

壇蜜:江戸の活気が聞こえてきそうでしたね。「鹿鳴館」の模型も舞踏会の様子が煌びやかに再現されています。床下の模型を俯瞰するのも新鮮な体験です。

山下:透明な床板を通して鑑賞する仕掛けは前館長の竹内誠氏が仏・オルセー美術館の展示から着想したそうです。鹿鳴館は1時間に3回屋根が開き、ライトアップされた大広間で紳士淑女が華麗に踊りだす。遊び心ある仕掛けがまた贅沢です。

壇蜜:人々の装いにも和装と洋装が入り交じり、文明開化の風が感じられますね。

【プロフィール】
山下裕二(やました・ゆうじ)/1958年生まれ。明治学院大学教授。美術史家。『日本美術全集』(全20巻、小学館刊)監修を務める、日本美術応援団団長。

壇蜜(だん・みつ)/1980年生まれ。タレント。執筆、芝居、バラエティほか幅広く活躍。近著に『三十路女は分が悪い』(中央公論新社刊)。

●東京都江戸東京博物館
【開館時間】9時30分~17時30分(土曜は19時30分まで/最終入館は閉館30分前まで)※当面の間、土曜も17時30分閉館
【休館日】月曜(祝日または振替休日の場合は翌日)、年末年始
【入館料】一般600円
【住所】東京都墨田区横網1-4-1

撮影/太田真三 取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2021年2月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン