――そして気づいたら8日経っていた。
ハチミツ:肺炎があったので、水が心臓に回って心不全になったりしないように、うつぶせにして72時間寝かせる、という治療に入ったみたいです。だから麻酔で72時間は起きないことが決まっていたそうです。そして8日後に自然に目が覚めたのですが、人によってはこれが1か月後になる人もいるようです。
起きた時は、普通に翌日だと思っていました。8日間寝ているなんて思わないですから。先生に聞いてびっくりしました。看護婦さんがICUにテレビを持ってきてくれて、見たらクリスマスがどうたらと言っていて、『M-1グランプリ』(20日放送)も終わっていた。それで初めてゾッとするというか。起きた時は点滴などの管がたくさん繋がっていて、ベッドから出たいとは思わなかった。痛みはないし空腹もない。つらい症状のピークは昏睡状態の時に終わっていたんですね。
――家族と連絡がとれたのはいつ?
ハチミツ:目を覚ました翌日です。ICUから出られないし、少しなら病室で電話をしていいと許可をもらえたので、奥さんと娘に話しました。救急車に乗る直前に、アマゾンで娘が欲しいと言っていたおもちゃを選んで、パパからのメッセージもつけて注文していたんですよ。それで電話で娘に、「パパはクリスマスまでには帰れないかもしれないけど、いい子にしていたらサンタさんにプレゼントを頼んであるからな」って言ったら、娘は泣いているんですよ。その理由は言わなかったんですけど、あとから奥さんに聞くと「パパがかわいそう」と毎日泣いてみたいで、安心して涙が出ちゃったんじゃないかと言っていました。
――1か月の入院生活、なにをしていましたか?
ハチミツ:集中治療室ではベッドから動くこともできないし、なにもできない。コロナ病棟にはなにも持ち込めないんですよ。持ち出しもダメ、預けたいもダメ、差し入れもダメ。服すらNG。パソコンでもあれば仕事ができたんですけどね。だからテレビを見ているか、スマホは大丈夫だったので、ネタなどを書き溜めました。
保健所からは発症から2週間経ったら退院していいと言われたんですけど、それを伝えても病院側につっぱねられました。もう感染能力はないと言っているのに、かすかな陽性でも退院できない。本当は年内に退院したかったんです。正月あけたら点滴も治療もなくて、ただただ3食食べる生活。1月15日に陰性が出たので、その日にすぐ退院しました。
この頃、保健所にコロナだと言ったけど自宅待機と言われて家で亡くなったというニュースを見て、オレはピンピンしているのに入院していて、代わってあげられないのがつらかったですね。
――後遺症か、左手の痺れがあるそうですね。
ハチミツ:医者はコロナとは関係ないと言うんですけど、じゃあこの現象は何だろうって思うんです。初めは指先を曲げることもできなかったんです。今は握力も半分以上戻りました。SNS情報なのでどこまで信憑性があるかわからないのですが、「自分もコロナ経験者で、半年くらい手が痺れていました」というDMを複数もらいました。それ以外の、よくある味覚や嗅覚障害などの後遺症はありません。
――Twitterにアップしている入院中の写真は、かなりやつれて見えます。
ハチミツ:一般病棟に移ってからの写真で、元日あたりに撮りました。集中治療室にいた機関で118kgから20kg減って、退院までにさらに2kg減りました。家に戻ってから少し体重が戻って、現在101kg。服は一昔前の痩せていた頃の服を着ていますよ。もともと主治医からは80kgくらいまで落とすよう言われていたので、これを機に痩せようと思います。