今回のプロジェクトの最終報告を見ると、支援者は合計1214人で、集まった金額は475万9719円。目標金額として起案者が設定した「1000万円」の半分にも満たない金額だ。嵐のファンクラブの会員数は非公開だが推定300万人以上と言われているのに対し、この数字はあまりにも寂しく、多くのファンの“不参加”も感じさせた。
広告を見たファンたちからは悲観的な意見が出ている。ネット上では「起案者の素性が謎で支援金を出しにくかった」、「SMAPの時の解散と違い、嵐は活動休止だから広告は不要だと思う」、「目標金額に届いていないのに結局、掲載できたことに疑問」といった声も見られ、ファンたちの複雑な心境が垣間見られる。
ある広告代理店関係者は、「そもそも朝日新聞のホームページには、全面広告の掲載料は3985万5000円とあります。今回の支援金は手数料を引くと約380万円。新聞広告には“値引き”がつきものですが、約3600万円、90%オフで全面広告を掲載させたとなると、他のクライアントが激怒しても仕方ないような特例で、こんなことは前代未聞です…」と、その金額設定に首をかしげる。
この謎を解き明かすカギとなる、主催者から支援者へ送られたメールを本誌・『女性セブン』は入手した。そこには、《1000万円という額は事前に朝日新聞社と決めてあった》という記載があり、なぜ朝日新聞社での広告掲載なのかという点については、《朝日新聞社とは【ご縁】があり、ご支援ご協力していただけることとなりました》と書かれている。
起案者と朝日新聞の【ご縁】とは何なのか。この点について、朝日新聞社に回答を求めたところ、広報部は「なるべく多くの人たちに知ってもらえる方法で嵐への感謝の気持ちを伝えたい、と弊社にお申し込みがあり、弊社はそのための場を提供いたしました。クラウドファンディングの実施まで進んだことを『ご縁』と表現されたと伺っております」と回答した。
掲載料の値引きについては、「今回はファン有志の方々の思いを受け止め、社内で調整した結果、実施が可能になりました。経緯の詳細については、回答を控えさせていただきます」(朝日新聞社広報部)とのことだった。
前出の30代女性ファンは、「私たちは嵐と縁があっただけで、朝日新聞社と縁があったわけではないんですけどね。感謝を伝える機会はラストライブで(松本)潤君が作ってくれているんですよ。今回の支援募集には疑問点が多すぎて私の周りは誰も支援しませんでした」(前出・30代女性ファン)?
本来の思いとは裏腹に嵐ファンにとって後味の悪い結果となった。