中国でのDiDiフードの配達員。日本ではサービス名が英語で表記されたロゴバッグが使用されている(イメージ、Imaginechina/時事通信フォト)

中国でのDiDiフードの配達員。日本ではサービス名が英語で表記されたロゴバッグが使用されている(イメージ、Imaginechina/時事通信フォト)

 そこで主要フードデリバリーサービスにメール取材を試み、自社バッグを使うことは義務か、他社の配達で自社バッグを使用しても問題ないか、今後、郵便や宅配便のように配達員の名前をネームプレートなりバッグなりに表示を義務づける予定はあるか、の3点を聞いてみた。すでに筆者がこれまでの記事で取材済みのウーバーイーツ(Uber Japan・アメリカ発祥)に関しては、ウバッグは推奨であり強制はなし、自社バッグで他社配達もOKと分かっているので外している。メニュー(menu・日本企業、レアゾン・ホールディングス)もウーバーと同様、自社バッグは推奨でしかないので除外した。※以下、カッコ内の回答はすべて原文ママ。

 まず先にも出たウォルト(Wolt Japan・フィンランド発祥)。「契約上、Woltが貸与する専用バッグにて稼働いただく必要があります。厳密には、商品の品質管理の理由でWoltのバッグもしくはWoltが許可をしたバッグを利用していたく必要がございます。また他社ロゴが入ったバッグでの稼働は禁止されております。上記についてはサービス開始時より変更はありません」とこの業界には珍しく自社配達には自社バッグ、と厳命しているが、自社バッグで他社の配達をすることに関しては「WoltバッグはあくまでWoltでの配達のために弊社から貸与を行っております。しかし目的外での利用について規約内で禁止されている事項はございません」とのことで自社バッグを何に使おうと問題はない。

 次にディディ(DiDiフードジャパン・中国発祥)。「原則DiDi支給のバッグを使用していただきます」とのことだが、自社バッグ使用による他社配達に関しては「違反として取り扱うことはないが、規定のバッグ以外で業務をすることでユーザーからのクレームが多い場合アカウント停止になる可能性があるので、支給のバッグを使用していただくようお願いをしています」とのことで、あくまで「お願い」にとどまっている。

 フードパンダ(foodpanda・シンガポール発祥、ドイツ企業傘下)。「ご登録時にfoodpandaオリジナルのデリバリーバッグをお渡ししております。なるべくご利用いただけるようお伝えはいたしておりますが、義務ではございません」とのことで、自社バッグで他社の配達も「可能です」とウーバーイーツ同様に自由、明確だった。

 最後にフードネコ(FOODNEKO・韓国発祥)。「配達員の方が気軽に配達を始められるよう、新規登録していただいた方につきましては基本的に無料でバッグを差し上げています。配達用バッグの使用を推奨しておりますが、義務化はしておりません。より多くの配達員の方に使用していただけるバッグ作成を目指し、配達員の方々の意見をうかがうセッションなどを実施しながら改善を進めています」とのことで、他社の配達に関しても「推奨はしておりませんが他社のバッグを使用することは可能です」とこちらも明確だった。ちなみにフードパンダとフードネコのバッグは買い切りやデポジットではなく無料で貰える。

 デリバリーバッグや名札などで配達員の名前を表示することに関しては全社、「予定はございません」もしくは「現在検討」であった。

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