「川口は、現役時代に“8時半の男”と呼ばれた元祖・抑え投手の宮田征典2軍コーチにリリーフ転向を勧められ、フォーム改造に取り組んでボールにキレを取り戻した。大竹は、高橋由伸監督最終年の2018年は1軍で2試合しか投げておらず、オフに自由契約になる見込みだったが、復帰した原辰徳監督の『寛ちゃんは使えるよ』という鶴の一声で残留が決定。原監督は大竹の起用法を心得ており、中継ぎで再生させた。いずれも、指導者との出会いで復活した。今年、巨人には桑田真澄投手チーフコーチ補佐が加わった。野上と同じように大怪我を経験しているし、潜在能力を引き出してくれるかもしれません」
桑田は現役時代、34歳の2002年、12勝を挙げて最優秀防御率に輝き、チームを日本一に導いた。それまでの2年間は5勝、4勝と低迷しており、見事な復活劇だった。追い込まれた人間は強い。6月で34歳になる野上の野球人生はまだ終わっていない。