芸能

高田文夫氏が語る 中学生の頃から知るバカで可愛い宮藤官九郎

宮藤官九郎との思い出

宮藤官九郎との思い出

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、中学生の頃から知る宮藤官九郎との思い出について綴る。

 * * *
 芸能界広しと言えども、自分の学校の後輩となると話は早いし、気は合うしでなかなか可愛い。私という“才能”の出現以来、業界的にはなんだかんだ日芸(日大芸術学部)がでかい面をしている。皆なおバカなんだが愛嬌があって、なにより創作力がある。クリエイティブであれば日大くらいの脳味噌が丁度いい。学力で人は笑わない。昭和42年、私が日芸(江古田にある)に入った時の入試問題が「ナス、キュウリ、キャベツ、インド人。仲間はずれはどれ?」私の友人はこれを答えられずに他校へ行った(冗談ですよ)。

 こんな学校の後輩達に声を掛け、2月23日、有楽町よみうりホールで「オール日芸寄席~おっと天下の日大事~」を開催した。前売は即完売。50%しか席を売れなかったが、600人近い人が笑い転げてくれた。この禍中、みんな笑いたかったのだと思う(3月8日から配信します)。

 メインは私とあのクドカンこと宮藤官九郎の頭が悪すぎるトーク。大絶賛放送中の『俺の家の話』ではなく、ふたりで「俺の学校の話」トーク。なにしろクドカンが仙台の中学生だった頃から知っている。例の事件──“たけし氏が深夜 講談社を訪れちゃった事件”などがあり、私までテレビ番組の台本仕事が激減。なんとか喰いつながなきゃと、生きる力のある私は札幌、名古屋、仙台に番組を作り、そこを週末はまわっていた。

 仙台の番組は素人のお笑いオーディション番組。そこへ毎回“ネタ見せ”に来る鼻水を垂らした中学生がいた(これがのちのクドカン)。4人位でやって来ては、私やディレクターの前でコントをやり、オチないと最後に一斉にパンツを下ろして「チャン、チャン」と言う。

「僕、これはテレビなの。テレビでチンチン見せちゃいけないの」。言ってきかせても2週後また違う仲間をひきつれネタ見せ。たしかに違うコントをやったが、最後、私が笑ってないと見るやサッとパンツを下ろし「チャン、チャン」「バカヤロ―ッ、帰れ!」これから5年後か。私がいると思って日芸に入ってきた。頭が悪すぎるだろ。私はとっくにもう働いているっつーの。

 大学へも行かなくなって毎日昼、私のラジオを聞いて過ごした。それから「大人計画」ヘ入り、何年かして私とこの業界で会った。「あっセンセー、僕覚えてますか」「覚えてる訳ねぇだろ」すかさずクドカン、パンツを下ろす。私が股間をみつめ「あぁ、仙台の!?」チャン、チャン。

 この日の「オール日芸」、他に志らく、一之輔、白鳥らも出演。全員私への愚痴でした。

イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2021年3月19・26日号

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン