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首都圏は火山灰にすっぽりと覆われる

 スーパー南海地震の影響で停電していた電気がやっと復旧したのに、火力発電所のタービンに火山灰が詰まって再び停電。携帯電話の中継機器を火山灰が覆い、電波が遮られて電話がつながらない。送電線に火山灰が付着した状態で雨が降れば、火山灰が電気を通してしまい漏電して火災が発生する危険性もある。

「現在は交通も金融もすべてコンピューターでコントロールされているため、火山灰がコンピューターに入り込めばシステムが狂い、首都機能は完全に麻痺してしまう」(武蔵野学院大学特任教授・島村英紀さん)

 浄水場に火山灰が降りそそげば、水を供給することもできない。

「火山灰は水で流すことができないので、下水に入り込むと下水道がつまり、下水が使えずトイレにも行けない。下水を使えるようにするには火山灰を掘り出して袋詰めにして捨てなければならないので、復旧にはものすごい時間を要します」(前出・鎌田さん)

 羽田空港や成田空港は富士山の風下に位置するため、火山灰をすべて撤去しないかぎり閉鎖が続く。車や電車、新幹線は火山灰が1ミリメートル積もっただけでスリップを起こす。スーパー南海地震による津波被害を回避できたとしても、あらゆる交通手段がストップしてしまうのだ。

「噴火が収まり火山灰が降ってこなくなったとしても、地面に積もった火山灰が舞い上がり、約1か月は被害を生み続けます」(前出・鎌田さん)

 ここに挙げた被害はほんの一部に過ぎない。首都直下地震、南海トラフ地震から相模トラフ地震に連動するスーパー南海地震、そして富士山噴火──いずれも“待ったなし”の状態であることを決して忘れてはならない。

※女性セブン2021年3月25日号

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