現在も塚地は多数のテレビドラマや映画で活躍している。昨年は『パパがも一度恋をした』(フジテレビ系)や『ハケンの品格』(日本テレビ系)、『作家刑事 毒島真理』(テレビ東京系)といったテレビドラマに出演しており、もはや業界に欠かすことのできない俳優の一人と言ってもいいだろう。
塚地はなぜ芸人兼俳優として成功を収めることができたのだろうか。お笑い評論家のラリー遠田氏は、芸人としての仕事でコントを再現する実力に、塚地の高い演技力を見て取る。
「芸人としての塚地さんの強みは、クオリティの高いネタや一発ギャグを量産する『発想力』と、クセの強い役柄になりきる『演技力』です。コントを演じる上で重要なその2つの能力を高いレベルで兼ね備えているので、芸人として評価されている上に、役者の仕事でもオファーが絶えないのでしょう」(ラリー遠田氏)
さらにラリー遠田氏は、塚地からにじみ出る人柄の良さも、テレビドラマや映画の現場で円滑な人間関係を育んできたと指摘する。
「演技中は役になりきるタイプではありますが、人柄の良さがにじみ出ていて、人を寄せ付けないとっつきにくさはないため、芸人だけでなく俳優の人たちとも親しく交流できる。だからこそ、多くの現場で重宝されるのだと考えられます」(ラリー遠田氏)
大量の作品に出演しているにもかかわらず、一部のネット民には“消えた芸人”認定されてしまうところも、謙虚に活動を続ける人柄の良さと“演技力”がなせる技だろうか──。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)