国際情報

イバンカ・トランプ「父の弔い合戦」を支える地盤、看板、鞄

まだまだ人気抜群の父娘(AFP=時事)

まだまだ人気抜群の父娘(AFP=時事)

 最近、バイデン政権内部では「フロリダに亡命中のゴジラ」と恐れられているドナルド・トランプ前大統領(74)と娘イバンカさん(39)が政権奪還に動き出した。トランプ氏はかねてイバンカさんの政治力を高く評価し、「米国初の女性大統領になるのはイバンカだ」と言い続けてきた。

 すでに噂になっていたが、そのイバンカさんが2022年の上院選にフロリダ州から打って出る可能性が日に日に高まっている。将来の共和党大統領候補ともいわれる現職のマルコ・ルビオ上院議員を引きずりおろしてワシントンに凱旋、いずれはホワイトハウス奪還を目指そうというのだ。ルビオ氏は「あれほどトランプ氏には尽くしたのに。イバンカが出るなら命がけで議席は守る」と迎え撃つ構えを見せているが、イバンカ人気は高く、今のところ敗色が濃い。

 選挙に勝つには「地盤、看板、鞄」が必要とは、古今東西、共通の鉄則だ。なかでも鞄(資金)については、イバンカさんは父に頼らずとも心配ないようだ。トランプ政権でイバンカさんは大統領補佐官、夫君のジャレッド・クシュナー氏(40)は上級顧問のポストにあったが、その間にビジネスで巨万の富を得ていたという。稼いだ総額はざっと6億4000万ドル(約700億円)。トランプ一族所有のホテル経営、「イバンカ・ブランド」商品の販売などによるものだが、なかには怪しいカネも混ざっている。政権発足当初はトランプ氏と「親しい関係」を築いていた中国の習近平・国家主席とのパイプを利用して、イバンカさんは中国国内で16件もの商標登録をし、金づるにしてきた。このビジネスについては、超党派の政治倫理監視団体が疑惑視しており、国政を目指すとなれば、つつかれる可能性もありそうだ。とはいえ、まず「鞄」には軍資金がたっぷり入っている。

「看板」は、前大統領の娘に加えて、「ノーベル平和賞父子ダブル受賞」の娘と妻というステータスを狙っている。ドナルド氏は2018年に次いで、2021年のノーベル平和賞候補にノミネートされているが、今年はジャレッド氏も同賞候補に推薦されている。昨年9月にイスラエルとアラブ首長国連邦の国交正常化の仲介役を果たしたことがユダヤロビーから高く評価されたものだ。もっとも、今年ノミネートされた個人、団体は318件。ダブル受賞が実現するのは険しい道のりだが、この話題だけでも十分に箔が付く。

「口先だけで核廃絶を訴えたバラク・オバマ元大統領ですらノーベル平和賞を受賞したのだから、実績を残したトランプ父子がもらうのは当然」(トランプ氏周辺)

関連キーワード

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン