甲状腺未分化がんの画像
未分化がんの診断は細胞診や病理検査、CTやPETなどの画像検査で行なう。治療は全身の状態がよく、切除可能であれば手術を実施。他にも抗がん剤治療や放射線照射、最近では分子標的薬などを用いて延命を図っている。
「甲状腺未分化がんでも、条件が整えば様々な手段を用いて積極的に治療を行ないます。ただし、現実には診断がついた時点で全身にがんが広がっていたり、身体が弱っていたりして、これらの治療が行なえず、緩和ケアを実施するだけというケースが半数近くを占めています。首にしこりや腫れを見つけ、それが数週間から数か月以内に大きくなる場合は性質の悪い甲状腺未分化がんの可能性があるので、検診が必要です」(杉谷部長)
新型コロナの影響で、がんの検診率が低下している昨今、首のしこり、腫れなどの違和感を軽んじず、かかりつけ医に相談や専門医の受診を。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2021年4月2日号
杉谷巌 日本医科大学付属病院内分泌外科部長

