『Life(ライフ)』
くすのきしげのり・作 松本春野・絵 (瑞雲舎)
夫に先立たれて悲しみに沈む老婦が、「ライフ」という不思議な店を通して、立ち直っていく。
「おばあさんが何気なく起こしたひとつの行動が、自分自身に変化をもたらした。前を向く力を与えた。その過程を、優しく描いた物語。いつまでも下を向いてはいられない、顔を上げれば幸せは見つかるんだ、という気持ちにさせてくれます」
『猫のミーラ』
井上奈奈・絵と文 (堀之内出版)
9年前に拾った野良猫を「ミーラ」と名付け、大事に愛おしく育てた少女・フリーダ。現在から過去へと遡って、フリーダとミーラの日々が描かれる。
「大切な2人の日々が逆回転再生されることで、私たちの胸になお迫ってくる。大人だからこそ楽しめる、絵本の構成です。絵と言葉も非常に美しい。愛しいペットを思い浮かべながら読んでみては」
『はるとあき』
斉藤倫・うきまる・作 吉田尚令・絵 (小学館)
擬人化された四季の《はる》と《あき》。会えない2人が、次の季節に手紙を託して、お互いが知らない世界を伝え合う。
「女の人生は転機の連続。あれほど仲よしで大好きだった友人と疎遠になることもザラにある。だけど、会えなくても友達はずっと自分の心の中にいることを教えてくれる絵本です。大人になって読むと、会えない友達が多い分、心に沁みます」