池田氏が指摘する。
「Aさんのような東大卒の官僚は能力が高いだけでなく、責任感が強いので仕事が集中しがちです。こうした状況をよく知る学生は官僚を敬遠するようになり、近年、キャリア官僚につながる東大法学部への進学を希望する学生が減っています」
2019年の東大入試では、それまで文系の国内最高峰であり、法学部に進む学生の多い東大文Iが、合格最高点・最低点、平均点のすべてで東大文IIを下回り、関係者に衝撃を与えた。
最上位層の受験生たちが“いま、東大法学部に行っても幸せになれない”と考えていることが読み取れるのだ。
※週刊ポスト2021年4月9日号