スポーツ

古賀稔彦さん、最愛の母が告白「これからは息子と2人で暮らします」

古賀氏は母と(時事通信フォト)

1992年のバルセロナ五輪で獲得した金メダルを愛子さんの胸にかけて握手する古賀氏(時事通信フォト)

「お別れを言うため、息子の顔を見たら、別人のようにげっそりと痩せていて……。この姿を息子は私に見せたくなくて病気のことを伝えなかったんだと腑に落ちました」

 そう語るのは、3月24日、がんで急逝したバルセロナオリンピック柔道金メダリスト・古賀稔彦氏(享年53)の母・愛子さん(79)だ。

 川崎市内の寺院で3月29日に営まれた葬儀・告別式には、後輩の元柔道家・吉田秀彦氏(51)ら、約1000人が参列。愛子さんも古賀氏の故郷・佐賀から駆けつけた。

「稔彦の訃報を知ったのは、亡くなった当日。長男(古賀氏の兄)からの電話で知りました。息子はお嫁さんや長男に、私にだけは闘病のことを言わないで、と口止めしていたそうで、突然のことに本当に驚きました……。葬儀の前に、腕から指先の1本1本まで湯灌をしたのですが、『一本背負い』を繰り出していた腕が棒のように細くなっていて。でも関節の節々だけはしっかりしていた。『お疲れさま。よく頑張ったね。もう、ゆっくりしてね』と何度も心の中で声をかけました」(同前)

 古賀氏は、近所で評判の孝行息子だった。1996年に父が他界した後は1人で暮らす愛子さんのため、折に触れ実家に帰り、近所のスーパーで材料を買い込み、天ぷらなど得意料理を振る舞った。

「一緒に洋服屋を回り、2時間以上もかけて私の服を選んでくれたこともありました。まるで私がマネキンになったように色々な服を着せてくれたり靴を履かせてくれたり。私に何かすることが自分の喜びなんだ、と言ってくれましたね」(同前)

 年末年始には家族を連れて実家を訪れていたという古賀氏だが、今年は新型コロナの感染拡大を危惧してとりやめたという。親子の久々の対面が、息子の通夜となってしまった。

 実家の床の間にしつらえた仏壇には、遺影として飾られたバルセロナ五輪の記念写真とともに、小さな骨壺が安置されている。

「年齢のこともあり、もうあちらにお墓参りに行くことは難しい。私からお願いして分骨してもらいました。これからは、この家で息子と2人、『ただいま』『今日は買い物行ってきたよ』と語り合いながら暮らしていこうと思っています」(同前)

「平成の三四郎」は最愛の母の元へ帰った。

※週刊ポスト2021年4月16・23日号

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン