国内

コロナワクチン副反応への傾向と対策 持病を持つ人は急ぐ必要なしか

東京・八王子市役所の接種会場(時事通信フォト)

東京・八王子市役所の接種会場(時事通信フォト)

 4月12日から65才以上の高齢者への接種が始まった新型コロナウイルスのワクチン。するとさっそく、全国の自治体には接種予約の申し込みが殺到した。

 栃木県小山市は予約受付開始からわずか5分で975人分の接種枠が埋まった。異例の「接種抽選」を実施した愛知県春日井市では、当選倍率が約40倍の狭き門となった。

 各地でワクチン争奪戦が繰り広げられているが、焦りは禁物、冷静さも必要だ。

「そもそも今回のワクチンは、『前例にないもの』です」

 そう語るのは、国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さん。

「現在、日本で接種されている米製薬メーカー『ファイザー』と、今後供給予定の米『モデルナ』のワクチンは、ウイルスの遺伝子情報を体に打ち込み、免疫反応を呼び起こす『mRNA』というタイプです。

 同じく供給予定の英『アストラゼネカ』製は、アデノウイルスという風邪ウイルスを無害化したものに、新型コロナの遺伝子情報を組み込んだ『ウイルスベクターワクチン』というタイプ。3つとも遺伝子情報を用いた珍しいタイプのワクチンであり、なかでもmRNAワクチンは世界初の試みで、接種後に人体にどのような影響が出るかを見極める必要があります」

 世界で初めて認可されたコロナワクチンの接種がイギリスで始まったのは昨年12月。以降、副反応のデータが世界中で集められている。

 医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが指摘する。

「各社のワクチンで目立つ副反応は、接種部位の痛みや疲労感、発熱、筋肉痛です。ただし、なかには急激な血圧低下や失神などをもたらすアナフィラキシーショックや血栓症など、命にかかわる副反応も指摘されています。

 副反応リスクは年齢、性別、持病などで異なる可能性もあり、ワクチンを接種する前に自分にどれほどのリスクがあり、何を準備すべきか知っておくことが重要です」

 この先、高齢者向け接種に続き、基礎疾患のある人向けの接種が始まる。それだけにワクチンを接種する前に、「傾向と対策」をきちんとつかんでおくべきなのだ。

持病がある人は接種を急ぐ必要はない

 都内在住の60代男性が不安げにつぶやく。

「3年前に糖尿病と診断され、食事療法と薬物療法を受けています。糖尿病患者がコロナにかかると重症化するとされるので早くワクチンを打ちたいのですが、やはり副反応が心配です。接種していいものかどうか……」

 厚労省によれば、糖尿病の有病者は約1000万人に達する。国民病と称される病気だけにワクチンの影響が懸念される。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン