グラビア

佐藤江梨子8年ぶり本格グラビア 竹中直人が撮り下ろす『宙を見る女』

8年ぶりに本格グラビアを解禁した佐藤江梨子

8年ぶりに本格グラビアを解禁した佐藤江梨子

 女優の佐藤江梨子が、週刊ポストで8年ぶりに本格グラビアを解禁した。撮影したのは、鬼才・竹中直人。竹中と佐藤の2人がグラビアに合わせそれぞれの視点から書き下ろしたファンタジー「宙を見る女」をお届けする。

 * * *
●竹中直人の書き下ろしファンタジー
【壊れたのは誰?~side和夫~】

「なんだかやんなっちゃう…本当にやんなっちゃうな…」
 いつもの夏子の口癖だ。
 少し高めの柔らかな声は耳に心地よい。でも…

「ほんとほんとやんなっちゃう…」この声が出てくるともう大変…。夏子は「死んでやる!」と叫び、2階のベランダから飛び降りようとするのだ。お互いの距離が縮まりだした頃、夏子のそれには本当にびっくりした。私は一体何が起こったのか分からなかった。ただ「やめろ!」と後ろから夏子を羽交いじめにして床に押さえ込むしかなかった。息が荒れる。夏子の息も荒れる。私の手を払いのけ夏子はうずくまった。

「はぁ…はぁ…はぁ…」
 私は夏子の背中をさすった。「大丈夫か?」
「はぁ…はぁ…はぁ…は ひふへほーー!きゃははははは!」 そう言って夏子は笑い声を上げた。
「???!」
「あ~すっきりした…」
「え?」
「和夫さん…ごめんなさいね。なんだかわたしおかしいの…」
「おかしい?」
「わたし 不安なのよ…」
「不安?」
「…って言うか…怖いの…」
「怖い?」
「そう…怖いのよ…」
「え?何が……」
「ねぇ…」
「え?」
「ふぅ~ イライラする…」
「え?イライラ?俺に?」
「いちいち尋ねないでよ私に!」
「え???」

 私はいつも、夏子に振り回されてばかりだ。
 長い付き合いだった友人の有島から久しぶりに電話があった。
 有島はもうこの世にはいない。

 有島は私に言う。
「別れたか??」
「…え?」
「だから…夏子とは別れたのか?」
「いや…」
「そうか…」
 そのまま電話は切れた。

 有島はあの世からたまに確認してくるのだ。
 夏子がまだ私のそばにいるかどうかを…。
 振り向くと 夏子がじっと私を見下ろしている。
 私はそっと夏子を引き寄せた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン