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小坂明子 エレカシ宮本のカバーに「史上最高の『あなた』でした」

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17才の頃の小坂と腕相撲をしているのは、指揮者兼編曲家で父の小坂務氏。2人は1974年の『NHK紅白歌合戦』でも共演

 1970~1980年代に日本でヒットした“シティポップ”が世界でリバイバルブームとなっている。さらに、“昭和歌謡”にハマる若い世代も増えており、まさに“昭和ポップス”に注目が集まっているのだ。

 そこで、昭和の時代に大ヒット曲『あなた』を生み出した、シンガーソングライターの小坂明子に、当時の様子を振り返ってもらった。

 * * *
『あなた』を作ったのは、高校2年生のときです。授業中に20分くらいで詞を書いて、家に帰って30分ぐらいで作曲しました。

 当時、大好きだったガロに会いたくて、その曲を『第6回 ヤマハポピュラーソングコンテスト』に送ったんです。

 最初は歌手希望ではなかったので、作詞・作曲部門に応募し、歌手は「ガロ希望」と書いて提出したんです。後で、「彼らはすごい人気でギャラも高いから、こんな予選には呼べません」と言われましたが(笑い)。あの頃のヤマハには、庄野真代さんや渡辺真知子さんなど、歌のうまいかたがいっぱいいて、その中から2人組の女性に歌ってもらうことになったのですが、私は3人で歌う想定で曲を書いていたので、自分も加わることになったんです。

 最初の予選はその3人で出場しましたが、次の大会で2人が出られなくなり、結局、自分1人で歌うことになりました。

 歌は習ったこともないし、人前で発表したこともありませんでした。

 ただ、音楽学校の受験のために、歌の先生に教えてもらったことが少しあって、そのときに1日のレッスンで、1オクターブ上まで出せるようになったんです。力むことなく、フラットな感じで声を出すような感じで。いま思えば、それもよかったんじゃないかと思います。

 その後は、ご存じの通り、1973年グランプリ大会で優勝し、その受賞者が参加できる「第4回世界歌謡祭」でも、最優秀グランプリを受賞しました。

 デビューは、その年の1973年12月です。『あなた』は、1か月で100万枚、3か月で165万枚、現在は200万枚を超えました。多くの人がカバーをしてくれたこともうれしいです。昨年は、エレファントカシマシの宮本浩次さんも。聴かせていただいたんですけど、史上最高の『あなた』でした。

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