大貫妙子『黒のクレール』
さにー:いや~、伝言ソングって、どうしても登場人物は3人以上になると思うんですが、やっぱりいいですよね。結局、伝言する相手はいるけど、出てこないという……。
半田:姿がないから伝わらない可能性も含んでいます。
田中:そうなんです。それがまたロマンですね。私の5位は大貫妙子さんの『黒のクレール』(1981年)。サビを聴いて、子供ながらにびっくりした覚えがあるんです。「どこの国の曲だろ?」みたいな驚きというか……。
さにー:何か神聖な感じがしますよね。
田中:そう。お伽の国みたいなイメージがよかった。それは、4位に挙げた谷山浩子さんの『まっくら森の歌』(1985年)にも通じるんですよ。
半田:大貫さんって、教授(坂本龍一)のプロデュースが入ってるから、垢抜けているイメージがありますね。
田中:そうですね。谷山さんは私の神なんです。『オールナイトニッポン』(ニッポン放送、1982~1986年)をやっていたのですが、おしゃべりもとてもうまいんですよね。
半田:そう。地声がかわいくて歌声もかわいいけど、曲は不思議っていうね(笑い)。