また重賞には443回騎乗しているが、1番人気は11回と少なめで4勝。2017年の日経賞ではやはりゴールドアクターが5着に敗れている。このときの単勝オッズは1.7倍、吉田隼騎手が騎乗してオッズが2倍を切った重賞はこのときだけ。
もちろん敗戦の責任は騎手だけにあるものではない。しかし昨年の函館記念のアドマイヤジャスタや、クイーンSのレッドアネモスのように、人気薄を爆走させる印象が強いのは確かで、受けて立った時にどうか。ゴールドアクターが有馬記念を勝った時も8番人気だった。あまり意味はないかもしれないが、重賞勝ちの時の平均は5.2番人気、オッズは14倍だ。
と、あれこれ書いたが、まさに重箱の隅をつつく行為。ソダシが過去のデータなどあっさり笑い飛ばす逸材であることは間違いない。
こういう流れだと、鞍上が1倍台1番人気の重圧を何度も克服し、両親が三冠馬で母の父もダービー馬というアカイトリノムスメを推奨か、となってしまいそうだが、それでは馬券的な妙味がないので、ここでは人気薄をあげておく。ソダシとの馬連をメインに、馬単でソダシの2着付けを少しだけ。
今年は桜花賞を使っていない馬が面白そうだ。中でもタガノパッションは、息子が権利を獲った馬に、「不肖の」父親が乗るドラマティックな展開。ならばついでにGⅠ初騎乗となる藤懸騎手のハギノピリナ。この2頭、奇しくも連勝中だ。パープルレディは東京2400mを勝った経験が貴重。もう1頭、2戦2勝のニーナドレスだって「無敗のオークス馬」になる権利を持っている。
なお、昨年に続いて今年もサンデーサラブレッドクラブ所属馬の出走がなく、ノーザンファーム生産馬も6頭と近年のGⅠではやや控えめ。ならば昨年に続いて日高生まれの牝馬の奮起に期待したい。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。