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SNS「投げ銭で億万長者」も現実に ユーザーがはまる構造とは

SNS「投げ銭」利用が広がっている(AA/時事通信フォト)

SNS「投げ銭」利用が広がっている(イメージ、AA/時事通信フォト)

 SNSで利用できる「投げ銭」機能が話題となっている。投げ銭とは、ライブ配信者に金銭もしくはそれに代わるものをオンラインで視聴者が提供することだ。YouTubeの投げ銭機能「スーパーチャット」、通称「スパチャ」の他、最近ではTikTokやInstagramなどのライブ配信でも利用できるようになり、Twitterでも機能追加されたと話題になった。なぜ投げ銭機能がこれほど人気となっており、視聴者は投げ銭をするのだろうか。ネット事情に詳しい成蹊大学客員教授の高橋暁子さんが、投げ銭機能が人気の理由と実態について解説する。

 * * *
「好きな配信者を応援したい。投げ銭すると喜んでくれるし、お願いを聞いてリクエストに応えてもらったこともある」とその醍醐味を語るのは、どこにでもいそうな30代女性だ。その彼女から、「投げ銭のためにはランチ代を削ってもいい」と推しのためなら身を削るのも苦ではないと聞かされると、さすがに驚かされる。しかし、彼女のように生活費を削ってまで投げ銭するという話は珍しいことではない。

 SNSでの投げ銭と言われても、体験しないと分かりにくいだろう。未体験の人のためにYouTubeのスパチャを例に説明すると、ライブ配信中のYouTubeLIVEを見ると、コメント欄の横に「¥」など通貨のマークが表示される。そこがスパチャへの入り口だ。「¥」をタップすると「Super Chat」を選択できる画面になるので、投げ銭をしたい場合はそちらをさらにタップ。すると、100円から5万円くらいのあいだの金額を選ぶことができ、金額を確定させて決済すれば、LIVE配信者に向けた投げ銭完了だ。

 直接、お金を送るのではなく代替となるコインやギフトなどを購入する形をとるSNSもあるが、多くはライブ中のコメント欄から直接、視聴者が送れるようになっている。配信者に直接、送ることができるという実感を得られるのは、ファン活動「推し活」としてもっとも重要なことだろう。

 とはいえ投げ銭は、たいしたビジネスにならないのではと疑われてもいた。だがYouTubeの各種データを集計し公開しているPlayboardの集計によると、2020年の年間スーパーチャットランキングではVTuberの「桐生ココ」が1億5000万円集めて世界1位となった。1位だけでなく、10位までのうち7組が日本のVTuber、2組が日本のゲーム実況者を占めるなど、投げ銭機能で生活できるどころか大きくビジネス展開できる可能性が広がっていることがわかる。

 さらに、投げ銭機能を持つSNSはYouTubeだけではない。その他、TikTok LIVE、Instagramライブ、音声SNSとして大きな話題を集めたクラブハウスなどでも投げ銭機能が追加された。Twitterでも、お金を送受信できる「Tip Jar」機能が、事実上の投げ銭機能として搭載を発表されている。

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