ビジネス

北陸新幹線の新駅誕生で既存の私鉄駅名が変更へ 改修費用負担はどうなる?

2015年北陸新幹線延伸開業では北陸ブームがやってきた。JR金沢駅を出発する東京行き一番列車の合図する女優の土屋太鳳さん(右から2人目)(時事通信フォト)

2015年北陸新幹線延伸開業では北陸ブームがやってきた。JR金沢駅を出発する東京行き一番列車の合図する女優の土屋太鳳さん(右から2人目)(時事通信フォト)

 新しい駅ができるとき、その名前はどのように決まるのか。そして、駅名が変わるのはどんなときなのか。延伸が予定されている北陸新幹線の新駅開業が決まっている福井県越前市の例から、駅新設や駅名改称について起きる様々なことについてライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
 2015年に長野駅から金沢駅まで北陸新幹線が延伸開業したとき、北陸ブームが沸き起こった。だが、富山県・石川県・福井県の北陸3県のうち福井県にだけは線路が届いていなかった。ゆえに福井県にとって、ブームが起きても観光や企業誘致といった地域活性化・産業振興の効果は限定的だったが、2024年に福井県の敦賀駅まで開業する予定で、現在は急ピッチで建設が進んでいる。

 新幹線を待ち侘びる福井県だが、工費の高騰や新型コロナウイルスの感染拡大により開業は予定より1年先送りされる。

 そうした問題を乗り越えながら、福井県は新幹線開業を控えて準備を着々と進めてきた。金沢駅-敦賀駅間の新幹線停車駅のうち、小松駅・加賀温泉駅・芦原温泉駅・福井駅は並行在来線に併設される。そのため、駅名はすんなり決まった。

 問題は福井駅-敦賀駅の間に誕生する新駅で、こちらは在来線とは接続しない新幹線単独駅。そのために、新しい駅名をつける必要があった。

「越前市内に開設される新幹線の駅名は、それまで南越駅という仮称でした。正式な駅名を決めるべく、市は選定委員会を組織して検討作業を進めてきました。このほど最終候補6案のうち、『越前たけふ』に決まり、JR西日本へ要望することになりました」と経緯を説明するのは、越前市企画部総合交通政策課の担当者だ。

 そもそも、鉄道の駅名は事業者が決めるものだ。従って、北陸新幹線の金沢駅-敦賀駅間はJR西日本の区間になるので、同区間に開設される駅の名称はJR西日本に決定権がある。

 とはいえ、近年は事業者だけで駅名を決めのではなく、一般公募や周辺自治体と協議して決めるケースが増えている。

 越前市は2005年に武生市(たけふし)と今立町(いまだてちょう)が合併して誕生したが、福井県内には越前市と似た越前町や南越前町など似た名前の自治体がすでにあった。難読というそしりはあるものの、武生は越前国の国府が置かれていた歴史の深い街。それだけに地元では”たけふ”への愛着が強い。また、すでに似たような名前の自治体があることから、合併による新市名で”たけふ”を熱望する人も多く、一悶着が起きている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン