ビジネス

入園者大幅減で運営ピンチの動物園 有料ライブ配信やクラファンの涙ぐましい努力

東京・吉祥寺エリアで親しまれてきた「井の頭自然文化園」も閉園が続く(筆者撮影)

東京・吉祥寺エリアで親しまれてきた「井の頭自然文化園」も休園が続く(筆者撮影)

 長引く緊急事態宣言で休園中の動物園が増えている。入園者減少による収入減は、動物園の運営に大きな影響を及ぼす。とりわけ民間の施設は厳しい。はたして全国各地の動物園はこの難局をどう乗り越えようとしているのか。ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。

 * * *
 国内最年長のアジアゾウ「はな子」(2016年死亡)が飼育されていたことで知られる東京の「井の頭自然文化園」。人気の街・吉祥寺エリアにあり、わずか400円の入園料(大人)で、170種を超える動物の生態を楽しむことができるオアシス的なスポットだ。

 コロナ前は午前9時半の開門を待ちわびる親子連れが列をなしている光景を見かけたものだが、今年になってからはまったく人がいない。それもそのはず、休園が続いているからだ。

5か月近くも休園続く異例の事態

 公益財団法人・東京動物園協会が管理・運営を行っている東京都立の上野動物園、多摩動物園公園、井の頭自然文化園、葛西臨海水族館は昨年12月26日から5か月近くも休園が続いている。これは極めて異例の事態である。

5か月近くも閉園が続く東京・上野動物園(時事通信フォト)

昨年の緊急事態宣言に続き、5か月近くも休園が続く東京・上野動物園(時事通信フォト)

「広い園内で歩きながら動物を見るんだから、入園者数を制限すれば感染リスクも少ないのでは? なんで休園にするんだ──というご指摘の電話も多くいただいています。われわれも一日でも早く再開したいのですが……」(都立動物園の関係者)

 全国動物園水族館協会に確認したところ、正会員140施設(動物園90・水族館50)のうち、動物園28、水族館17の合わせて45施設が休園中だった(5月19日時点)。

 だが、休園中とはいえ動物たちは毎日、動物園の中でこれまで通りに飼育されている。そこで、日々元気に動き回る動物の姿をYouTubeやTwitterなどを通じて配信し、動物園に来られない子どもたちや動物ファンに伝えようという動きが広範に行われている。

 書き入れ時にもかかわらず休園に追い込まれた今年のGW期間中に、動物たちの様子をライブ配信する動きが各地の動物園で見られた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン