野球と相撲が圧倒的人気だった時代
1964年のスポーツで注目なのは、何といっても東京五輪。「東洋の魔女」と呼ばれたバレーボール女子、男子体操団体、重量挙げの三宅義信選手、ボクシングの桜井孝雄選手などが大活躍。日本勢は金16個、銀5個、銅8個の計29個のメダルを獲得。アメリカ、ソビエトに次ぐ3位となり、大いに盛り上がった。
「東京五輪以外では、プロ野球と相撲人気がピーク。特にプロ野球は、王貞治と長嶋茂雄の“ON時代”。当時は阪神と大洋が強くて、この年の巨人は3位に甘んじていた。でも、王選手が年間55本のホームラン記録を達成し、長嶋選手も三冠王をとるかどうかに注目が集まりました。相撲は、いわゆる“柏鵬時代”で大鵬・柏戸の横綱対決 が大人気。特に大鵬が本当に強かった」(泉さん)
ON以外の野球では、アジア人初のメジャーリーガーが誕生。南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)から野球留学で派遣されたマッシー・ムラカミこと、村上雅則投手がサンフランシスコ・ジャイアンツに入団。在籍は2年間だったが日本人メジャーリーガーの先駆けとなった。
取材・文/北武司
※女性セブン2021年6月10日号