スポーツ

巨人の新旧4番の因縁、岡本和真と原辰徳「14連敗脱出の雪辱ホームラン」

今も昔も巨人を勢いづけるのは4番の一発(岡本和真。時事通信フォト)

今も昔も巨人を勢いづけるのは4番の一発(岡本和真。時事通信フォト)

 4番が打てば勝つ──。昭和、平成、令和と元号が変わっても、巨人に続く伝統である。5月30日、巨人がソフトバンクに4対3で勝ち、オープン戦、交流戦、日本シリーズでの連敗を14で止めた。試合を決めたのは、4番・岡本和真の一振りだった。5回、ホークス先発の和田から決勝の14号ソロを放ち、日本シリーズ2年連続4連敗の雪辱を僅かながらも晴らした。

 岡本はソフトバンクに相性が悪かった。2019年の交流戦では12打数2安打で打率1割6分7厘、1本塁打、3打点。日本シリーズでは2019年が16打数3安打で打率1割8分8厘、1本塁打、3打点。2020年が13打数1安打で打率0割7分7厘と苦しみ、本塁打、打点ともにゼロに終わっていた。

 かつて、巨人が苦手意識を持っていた球団といえば、黄金時代の西武が挙げられる。交流戦のない1989年から1992年にかけて、巨人はオープン戦、日本シリーズで西武に14連敗していた。

 この頃、巨人の4番は、現在の監督である原辰徳が務めていた。まさかの4連敗で呆気なく散った1990年の日本シリーズ、原は15打数4安打で2割6分7厘、本塁打、打点ともゼロに終わり、西武の清原和博と比較され「4番の差で負けた」と酷評された。実は、原はオープン戦でも西武相手に全くと言っていいほど打てなかった。

 1989年は2試合で8打数ノーヒット、翌年も2試合で3打数ノーヒット。日本シリーズを挟んで、1991年は3試合で10打数3安打1本塁打3打点を挙げたが、1992年は3試合で8打数2安打、本塁打、打点はなし(欠場1試合)。4年間の対西武のオープン戦成績は29打数5安打、1割7分2厘しか打っていなかった。プロ野球担当記者が話す。

「オープン戦は関係ないと言われますが、この頃の巨人対西武はシーズン開幕直前に試合が組まれており、勝敗を意識する時期でした。実際、当時の藤田元司監督は『(オープン戦の)ラスト5試合は勝負に徹する』と語っていました。これだけ勝てないことで、明らかに巨人は西武コンプレックスを持っていたように思います」

 オープン戦、日本シリーズでの対西武14連敗中、巨人は4度の完封負けを含め、3得点以下が10回。1990年の日本シリーズ第4戦から1991年のオープン戦にかけて、21イニング連続無得点という不甲斐なさも見せていた。その責任は、『4番・原』にあった。

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン