ライフ

64才女性記者 28才で離婚した元夫の姓を今でも名乗り続ける理由

離婚してもなぜ姓はそのまま? その理由とは…

離婚してもなぜ姓はそのまま。その理由とは…

 体当たり企画などを得意とする『女性セブン』の名物アラ還ライター“オバ記者”こと野原広子(64才)が、世の中で話題になっているトピックにゆる~く意見を投げかける。今回は、“紀州のドン・ファン騒動”から自身の“姓”について思いをはせたお話です。

  * * *
「これじゃ、どこの家の葬式かわかんねぇよなぁ」──“ドン・ファン騒動”を見るにつけ、3年前に亡くなった継父の葬儀での末弟の発言をふと思い出す。

 都会の葬式は年々簡素になっていくけれど、わが茨城県はまだまだ花輪の数がモノをいう。祭壇の中央には「兄弟一同」「従兄弟一同」といった花輪があって、その周りに故人や家族の仕事関係から寄せられた生花や果物かごが並んで彩りを添える。でも、継父のときはちょっと違った。継父の姓は「ヤマザキ」なのに、祭壇にはヤマザキ姓の花輪が1つもなかったの。

 そもそも「ヤマザキ」は私の実父の姓で、父は昭和34年に亡くなっている。母は嫁いだ先で夫に死なれたわけだけど、幼い私と弟がいたこともあって実家に戻るに戻れず、そのまま居座った。その後、「イケダ」さんと再婚した後も、ヤマザキ姓を通した。

 やがて母と継父の間に男児(末弟)が生まれ、継父は「イケダにすっぺよ」と母に改姓を強く求めたけど、母はうなずかなかった。当時、私と年子の弟は小学校高学年。姓を変えると私たちが学校で面倒なことになる、というのが改姓を拒んだ理由だったという。

 ……かくいう私も「ノハラ」を名乗っている。24才から4年間、結婚して得た姓で、人にワケを聞かれれば、「ゴロがよかったから」と答えてきた。母にしても私にしても、姓を“家の象徴”としてというより、便宜でしか考えないところがあったのね。

 そういえば、実家の仏壇にはいろんな姓の位牌があった。私を育てた祖母・オシマ婆さんの亡夫「フクトミ」という位牌、フクトミさんとの間の子で、独身のまま東京で亡くなった伯父「トキ」さんの位牌…。まさにちゃんとした家ではない証だけど、こういうルーズさを私はいいなと思っているんだよね。

 振り返れば、28才で離婚したとき、「本籍地も戸籍も新たにしていいんです」と区役所の人は言ったけれど、離婚して足元がふらついているときに、縁もゆかりもない場所に置く気にはならない。それで嫁ぎ先の住所を本籍地に決めて、姓も変えないまま、今日に至っている。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン