芸能

伝説アイドル誌『Momoco』の思い出 原石発掘、交際応募券、体験投稿…

雑誌『Momoco』(画像は1986年10月号 表紙/斉藤由貴)

雑誌『Momoco』(画像は1986年10月号 表紙/斉藤由貴)

 中森明菜が『禁区』、松田聖子が『瞳はダイアモンド』でヒットを飛ばしていた1983年11月、学習研究社から雑誌『Momoco』の創刊号が発売された。キャッチフレーズは「ファンキーGAL満載! 男の原寸大MAGAZINE」。『GORO』『スコラ』といった絶好調の青年誌とアイドル誌の中間を狙っていた。制作中に、偶然にもデビューを控えていた菊池桃子の売り込みが重なり、表紙に起用。25万部は瞬く間に完売した。

 同誌は、売れっ子アイドルを特集する『明星』『平凡』と異なり、原石を発掘した。巻頭は16ページのアイドルグラビア「Momoco写真館」。続くインタビューページではこれから売り出すアイドル11人を取り上げ、際どい質問を飛ばした。デビューを控えたタレントには「1億円あげるから脱げっていわれたら、脱ぐ?」と聞き、「1億円じゃ見せません」「10億円ぐらい?」「1兆円ぐらいなら(笑)」と荒唐無稽な会話を交わしている。

 全国各地の素人ギャルを紹介する「MOMOCO CLUB」では、毎号数十人を掲載。彼女たちに文通を申し込める「交際応募券」もついていた。この人気コーナーは「ミス・モモコグランプリ大会」に発展し、第1回は西村知美(桃組出席番号922番)、第2回は畠田理恵(同1404番)が栄冠に輝いた。

 1984年には日本テレビ系『TV海賊チャンネル』の1コーナーとなり、1986年にはTBS系で『モモコクラブ』として独立した。読者の初体験投稿コーナー「童貞物語」も目玉の1つで、同名のまま映画化され、古村比呂や本田理沙などがヒロインを務めた。

 最盛期60万部を売り上げて革命を起こしていったが、同じく素人をスターにした「おニャン子クラブ」の登場もあり、芸能界はアイドル飽和状態に。1989年頃から“アイドル冬の時代”が訪れる。部数が10万部台に低迷し、バブル崩壊で広告費がピーク時の5分の1に減り、1994年1月号限りで休刊した。それでも、“素人の時代”の扉を開いてメディアミックスに挑んだ『Momoco』が果たした役割は今も色褪せない。

取材・文/岡野誠

※週刊ポスト2021年6月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン