撮影現場で朝早くから夜遅くまで体を酷使するなど、労働環境は過酷といわれる俳優業界。だが、所属事務所との契約が理不尽だったとしても、問題提起したり団体交渉をすることは難しい。
「小栗さんは、早くから俳優の労働組合(ユニオン)を作りたいと語っていました。『自分が誰かに殺されるかもしれない、それぐらいの思いで闘わないと日本の芸能界は変わらない』と強い意志も示していましたね。そんな彼から見ると、岡田さんの状況は見過ごせないでしょうし、“おれが守ってやるから”という思いがあってもおかしくありません」(前出・映画関係者)
事務所との契約に悩まされてきた岡田にとって、理解ある経営陣や先輩俳優の下で働くことは、願ってもないチャンスだろう。
「ただ、裁判は長引きそうです。両者間の合意が得られず、和解しそうにないからです。移籍話に進展があるとしても、もう少し先のことになるでしょう」(前出・芸能記者)
しかし、綾野や小栗は待てたとしても、業界が岡田を待ちきれない。
「岡田さんへの出演オファーは、係争中の事務所に舞い込み続けていて、岡田さんも仕事のオファーを受けたんだとか。事務所から離れようとするのであれば矛盾した行動にもみえます。岡田さんは秋に始まるNHKの朝ドラの主要キャストに内定しているといわれていますし、ひょっとすると、今後についてまだ迷いがあるのかもしれませんね」(前出・テレビ局関係者)
岡田の事務所に話を聞くと、「まだ係争中で結論が出ていないため、ほかの事務所に移籍するという話はありません」という返事だった。綾野と小栗が所属する事務所も「弊社は家族的な繋がりでやっている事務所なので、ほかの事務所さんが大事に育てた俳優を途中で引き抜くようなことはしません。その体力があるならば、まだ芽が出ていない弊社の俳優の育成に力をいれます。岡田さんが移籍することはありえません」と強く否定した。
かつて岡田は綾野に“真実を映す瞳をしている”と評されていた。その瞳にはいま、どんな“真実”が見えているのだろうか。
※女性セブン2021年6月24日号