ビジネス

職場や大学で横行する「ワクチンハラスメント」 過剰な同調圧力社会の悲惨な末路

職場や大学などでも集団接種が始まった新型コロナワクチン(AFP=時事通信フォト)

職場や大学などでも集団接種が始まった新型コロナワクチン(AFP=時事通信フォト)

 職場や大学などでも新型コロナのワクチン接種が本格化しているが、そこで大きな問題となっているのが「ワクチンハラスメント」だ。近著に『同調圧力の正体』(PHP新書)がある同志社大学政策学部教授の太田肇氏が、コロナをきっかけとした数々のハラスメントの横行、同調圧力が一層強まる社会に警鐘を鳴らす。

 * * *
 新型コロナウイルスのワクチン接種が広がるとともに、世間にまた嫌な緊張感が漂ってきた。副反応のリスクだけではない。ワクチン接種を強制したり、拒否した人が差別的な扱いを受けたりする「ワクチンハラスメント」が横行しているからだ。

 昨年の今ごろ暗躍した「自粛警察」や「マスク警察」、そして10年前の東日本大震災直後の「不謹慎狩り」を思い出す人は少なくないだろう。

「自粛」が「他粛」に転化

 考えてみればおかしな話である。「自粛」「不要不急」「不謹慎」…いずれも主語は自分であり、自分が判断すればよいはずだ。ところが、いつの間にか周りから自粛を強要されて「他粛」になり、何が不要不急か他人が勝手に判断するようになった。

 要するに、この国では自分と他人とが区別されず、同一視されてしまうのである。

 なぜ、そうしたおかしなことが起きるのか? それは私たち日本人が暗黙のうちに強い共同体意識を共有しているからである。そのため、いつでも日本人としてみんな同じように振る舞うべきだという発想になり、「これ以上干渉してはいけない」という線引きができない。

 しかも震災やコロナ禍のような危機にはいっそう共同体意識が強まり、コロナ禍が長引いている今は、他人の行動に干渉することが当たり前であるかのような空気が蔓延している。

関連記事

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン