国内

女性アスリート盗撮動画販売で逮捕者 サイトブロッキングが検討されるべきなのか

陸上・日本選手権混成競技の会場で、スタンドに設置された盗撮禁止を呼びかける掲示(時事通信フォト)

陸上・日本選手権混成競技の会場で、スタンドに設置された盗撮禁止を呼びかける掲示(時事通信フォト)

 被害者が声をあげはじめ、世の中が認識したことで問題が解決に向かう。それ自体は歓迎すべきことだが、代わりに別の存在がターゲットに浮上してしまうことがある。競技に取り組むアスリートをわいせつに見えるように歪めて撮影し、ネットで頒布している勢力が存在していると注目を集め、社会問題となった。その結果、卑劣な行為に手を染めた者たちは積極的に検挙、罰せられるようになったが、代わりに別の懸念が浮上している。ライターの森鷹久氏が、より弱い者がターゲットにされつつある危険についてレポートする。

 * * *
 赤外線カメラを使い、女性アスリートらの衣服が透けたように見える状態の盗撮動画をネットで販売し、名誉を毀損した疑いで、千葉県警は会社員の男を逮捕した。

 筆者は2020年の10月、盗撮被害に悩む女性アスリートや業界、そして実際に盗撮を繰り返していたと見られる人物へ取材し記事化した。それから一年以上経ったいま、改めて関係者へ聞き取りを進めていくと「やっと捕まったか」という声が聞こえる一方で、事態が「より深刻になっている」という見方も出始めているようだ。

「今年の5月、テレビ放送された女性アスリートの映像を無断でネットに転載したとして男が逮捕されていますが、摘発があっても、同様の行為をする卑劣な人が後を絶たない」

 こう憤るのは、以前も取材に協力してくれたある大学スポーツの連盟関係者(50代女性)。こうした迷惑、いや犯罪行為が影響し競技生活を続けられなくなった選手がいることも明かしてくれていた。その後、事態が明るみに出て以降も、自身の競技中の写真がSNSなどネットに上がっていることを知った女性アスリートが複数いると話す。

「いろんな団体で対策を取っていますが、なかなかおさまらない。一番ひどいと思うのは、盗撮した映像や写真を販売するサイトが今も潰れず存在していることでしょう。盗撮被害にあった女性たちは、まず、盗撮で被害に遭い、勝手に販売されることでさらに多くの人の目に晒されて繰り返し被害に遭う。自分の動画が成人向けサイトに上がっているのを知って、日常生活を送ることすら怖いという女性がいることを知ってほしい」(大学スポーツ関係者)

 今回逮捕された男も盗撮動画をネット上で販売していたというが、容疑者だけが行っていたビジネスではない。少しネット検索しただけでも、かなりの数の同様のサイトが確認できる。そこは著作権や被写体の権利や尊厳が無視されたコンテンツがずらりと並んでおり、ドラマや映画、アニメなど映像作品だけでなく、今なお女性アスリートの盗撮映像や、テレビ画面の録画映像の転売も散見される。

 事情に詳しい、都内のAVプロダクション関係者が解説する。

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン