芸能

元NHK大越健介氏『報ステ』MC就任“もの言う番組”復活に期待の声

(写真/共同通信社)

『報ステ』の原点回帰に期待(写真/共同通信社)

 テレビ朝日は10月から『報道ステーション』のメインキャスターに、元NHKの大越健介氏が就任することを発表した。

「名物キャスターの政権批判で局の看板番組となった『報ステ』に、同じくNHKで政権に“もの言うキャスター”として人気を得た大越氏が入るとあって、局内外から“『報ステ』が勢いがあった頃に原点回帰するのでは”と期待の声があがっています」(テレ朝関係者)

 2010年代半ば、『報ステ』と大越氏は似たような境遇に立たされた経緯がある。

 2014年11月、自民党が当時筆頭副幹事長だった萩生田光一氏と福井照・報道局長(当時)の連名文書で、NHKと在京民放5局に選挙報道の「公平中立」を要請。6日後には『報ステ』に公平中立な番組づくりを要請する文書を送付するなど、安倍政権によるメディアへの「圧力」が取り沙汰された。

 当時、NHK『ニュースウオッチ9』のキャスターを務めていた大越氏も安倍政権に批判的な発言をすることがあったため、2015年に同番組を降板した際には「官邸の意向」が働いたと報道された。

『報ステ』は2016年3月に古舘伊知郎氏がMCを降板し、富川悠太アナ、フリーの徳永有美アナらに代わった。

 以降、政権批判は影を潜め、それまで平均15%台だった視聴率も日によって1ケタが出るなど低迷。今年1月には、番組出演した菅首相に対する富川アナのインタビューが“優しすぎる”としてSNS上で批判が殺到した。

『報ステ』でコメンテーターを務めた元経産省幹部官僚の古賀茂明氏が語る。

「かつての『報ステ』は新聞記者やテレビ局、官邸も真っ先にチェックしていた番組でした。それが最近はニュース番組としてのステイタスは下がり、スタッフたちの間でも“忖度ステーション”と自虐されていると聞きます」

 古賀氏は2015年3月27日に『報ステ』を降板する際、官邸の圧力やテレ朝上層部の意向があったと主張して話題になった。奇しくもその日、大越氏も『ニュースウオッチ9』を降板した。古賀氏が続ける。

「大越さんが入ることで、権力の問題点について視聴者にわかりやすく切り込んでいく番組に戻るとよいと思います。本人はやる気十分でしょうが、『報ステ』は安倍前首相と親しい早河洋会長の意向を無視できない。大越さんがどこまで戦えるか、期待して見守りたい」

 時の政権も恐れる“もの言う番組”になるか。

※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン