消毒液などを大量に購入してきた(イメージ)

消毒液などを大量に購入してきた(イメージ)

 書き込みはいずれも専門家の誰々が何々といっている、とリンク先記事を解説するような投稿ばかりで「日本では報じられていない」という文言も目立った。ただ、リンク先を確認すると、記事は存在するものの、論文や研究機関のホームページではなく、開業医、薬剤師を名乗る人々のブログやSNSの投稿だ。

 さらに付け加えると、これらの医療従事者に共通するのは「自費診療」を強く患者に勧める傾向にあることだ。自費診療という仕組みそのものについて、とやかくいうつもりはないが、何かの治療をするうえでまず、保険が効かず高額になりやすい「自費治療」をすすめられることに違和感を抱かない人はいないだろう。そういう意味では、富田さんの姉が傾倒する情報源には、あまり一般的ではない傾向を持った医療者が多いと言わざるを得ない。中には「コロナ予防に」と謳う健康食品を勧めている事例もあった。医療関係者でなくとも、法律に抵触する行為だとわかるだろう。

 当然、こうした真偽が不確かな投稿を積極的に拡散している男性に、専門的な知識や経験があるとは思えない。それでも、富田さんの姉はその男性のことを信じ、彼を支持するコミュニティにも参加し続けているようだった。首都圏などに緊急事態宣言が発令されている最中でも、このコミュニティを通じたリアルでの会合に参加していたという。そこで彼女は、ワクチンよりも安全で、コロナ予防になるというサプリメント、消毒液を買ってきて、親族に配り始めたのだった。

「姉は独身で、コロナ禍で仕事も減って基本的にはずっと在宅でした。人と会話する機会も減り、寂しかったのかなとは思います。だから多少のことは目を瞑るつもりでした。ここまであからさまなウソに騙されるなんて、信じられません」(富田さん)

 富田さんの話を総合すれば、富田さんの姉は不安につけ込まれ、マルチ商法に取り込まれてしまった、ということのようだ。マルチ商法は一般的に、金儲けや良い生活をするためといった口実で勧誘がなされる。最近では実在する環境問題を解決するため、などといって善意の人をウソで誘い込むパターンもある。おそらく反ワクチンも、マルチ商法へ誘う「口実」に利用されているのだろう。サプリメントや消毒液は一般向けに販売されていないもののようだが、値段は割高に感じられ、市販品との違いはよくわからない。だが、彼女は特別なものだと信じて疑わず、見せてもらったチラシには「コロナを無毒化する方法」など、ありえない文言が踊っていた。落ち着いて考え直せば疑問をもつようなものなのに、信じ切ってしまっているという。

「サプリや消毒液で済んでいたときは、まだよかった。今度は、浄水器や空気清浄機も買わなければと言い出しています。全部買えば何百万もするそうですが……」(富田さん)

 少額なものから、高額商品へ。様々なマルチ商法のセールスで、たびたび行われてきた手法だ。この一点だけをみても、カモ扱いされていると周囲は気づくのだが、肝心の本人は「よい買い物をしている」そして「正しいことをしている」と信じている。

関連記事

トピックス

CM露出ランキングで初の1位に輝いた今田美桜(時事通信フォト)
《企業の資料を読み込んで現場に…》今田美桜が綾瀬はるかを抑えて2025年「CM露出タレントランキング」1位に輝いた理由
NEWSポストセブン
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン
アスレジャー姿で飛行機に乗る際に咎められたそう(サラ・ブレイク・チークさんのXより)
《大きな胸でアスレジャーは禁止なの?》モデルも苦言…飛行機内での“不適切な服装”めぐり物議、米・運輸長官がドレスコードに注意喚起「パジャマの着用はやめないか」
NEWSポストセブン
(左から)小林夢果、川崎春花、阿部未悠(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫の余波》女子ゴルフ「シード権」の顔ぶれが激変も川崎春花がシード落ち…ベテランプロは「この1年は禊ということになるのでしょう」
NEWSポストセブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン