ライフ

すっぴんOK、愛想笑い不要 日本ではコロナ後も「マスク依存」が続く?

マスク無しは

日本人はマスクを好む傾向がある

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、マスクを着用する生活が当たり前となった。争奪戦が繰り広げられたり、着用を巡ってトラブルが起きたりと、マスクにまつわるトラブルも絶えないが、ワクチン接種が進めば、やがてはマスクを外す時がくるかもしれない。

 一刻も早くマスクが取って過ごせる世の中になることを望む人が多い一方で、「ノーマスク」になることを恐れる人もいる。マスクで顔が隠れているほうが快適だというのだ。

マスク着用は信頼性を左右する

 そもそも、欧米人と日本人では、マスクへの意識がまるで違うようだ。精神科医の片田珠美さんがいう。

「マスクの利点の1つは、ほうれい線やシミなど、“顔の粗”を隠せること。もう1つは、表情がわかりにくくなること。日本人は聖徳太子の時代から『和を以て貴しとなす』という文化があるように、波風を立てないように感情を抑える国民性です。マスクを“便利”と感じるのは、そのためでしょう」

 しかし、欧米は正反対だ。精神科医の和田秀樹さんはいう。

「感情の喜怒哀楽は、主に口元で表現されます。そのため、しっかりと自己主張する欧米人は、マスクをすると正しく感情が伝わらないため、マスクを敬遠します」(和田さん・以下同)

 マスクを嫌う欧米人、マスクを好む日本人の差はそこにある。コロナ禍以前から、積極的にマスクをつける人が多い日本人は「マスク依存症」といわれることもあったが、この症状は、コミュニケーションに支障をきたす恐れがある。

「たとえば、ノーマスクが一般的になったのに、選挙演説でマスクを外さない政治家はいないはず。なぜなら、マスクをつけると表情から読み取れる情報量が減るため、話の信頼性が低くなったり、説得力が弱くなるからです」

 マスク依存症は、女性の方がなりやすいという。コンプレックスを抱え、自己肯定感の低い人ほど要注意と片田さんが言う。

「自分に自信がなく、素の自分を見せるのに抵抗がある人はマスクに頼りやすい。『マスクをつけた方が、自分はよく見える』と過信している人も多くいます。コロナ禍以前は平気だったのに、いまは人前で食事することに抵抗を感じるならば、マスク依存症の恐れがあります」

 マスク依存症になっている場合は、1つずつステップを踏んで「ノーマスク」に慣れていくしか方法がない。片田さんが続ける。

「まずはコロナ禍以前から親しい人の前でマスクを外しましょう。それに慣れたら、“マスクをつけた顔”の自分しか知らない人の前でも外す。そして最終的に、電車や街中など、第三者がいるところでもマスクを外すようにする。そうやって、マスクをつけなくても大丈夫と自信をつけていくしかありません」

「そんな大げさな」と思う人もいるだろう。しかし、コロナ禍で根深くなったマスク依存症の裏には、深刻な問題も隠れている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン