国内

図鑑の制作は最低3年必要 研究や撮影技術の飛躍的進歩で内容にも厚み

「小学館の図鑑NEOシリーズ」の『深海生物』には、かつては想像図しかなかった深海魚のデメニギスも、生態写真で掲載

「小学館の図鑑NEOシリーズ」の『深海生物』には、かつては想像図しかなかった深海魚のデメニギスも、生態写真で掲載

 夏休みの自由研究の定番だった標本づくりは、昆虫の減少や殺生をよしとしない教育方針によって廃れつつある。いまの子供たちは、昭和の頃以上に、「図鑑」で生き物への憧れを膨らませているのだ。あの頃子供たちが夢中になっていた図鑑は、時代とともに変化し、いまや、大人の想像をはるかに超える姿に進化している。

 2002年に始まり、現在25巻まで刊行されている「小学館の図鑑NEOシリーズ」の根本徹編集長によれば、一冊の図鑑をつくるのに、少なくとも3年程度かかるという。動植物の情報だけに限らない、膨大な知識を盛り込む必要があるからだ。

 NEOシリーズの『危険生物』では、学術的な分類ではなく、かむ毒や刺す毒といった危険の種類で分類して生物を紹介したうえで、医師の監修のもと、実際の症例写真とともに、危険を負わないための予防策と、実際にかまれたり刺されたりしたときの応急処置の方法まで細かく網羅している。

「“橋の下にハチの巣があったために、マラソン大会で橋が揺れて、何人もの参加者が刺されてしまった”など、実際に危険生物によって起こった出来事を『事件ファイル』としてまとめたコラムを随所にちりばめています。ただ怖がらせるのではなく、生き物との共生の考え方を知ってほしいという思いを込めました。

 私たち人間という動物が、ほかの生き物と共生していくためには、ほかの生き物のことを正しく知って、正しく怖がることが大切だからです」(根本編集長)

関連記事

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン