さらに「声の汚し」について、IVANA氏は近年のトレンドを指摘しつつ、「簡単に真似できるものではない」とAdoの歌唱力を称賛する。
「近年の声のトレンドとして、YOASOBIのikuraさんや yamaさんなど、ブレスのノイズが入ったような“綺麗過ぎないナチュラルな声”というのがあります。Adoさんも『ギラギラ』のAメロ部分などではこの種類の声を使って、リスナーにとっても等身大の自分を投影出来るような表現をしています。
ブレスのノイズだけではなく、更にがなり声を使っている事は非常に注目すべき点です。『うっせぇわ』の他でいうと、『レディメイド』のサビの最後など、要所要所で使われています。
この種の声は喉を痛めるリスクが高いのですが、喉への負荷と声の汚しのバランスが絶妙に取られています。ものまね芸人さんが真似していましたが、喉への負荷が高すぎる歌い方で、なかなか簡単に真似できるものではないです。日本人だとONE OK ROCKのTakaさんが上手にこの声を取り入れています」(IVANA氏)
8月20日公開の映画『かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 ファイナル』で、新曲「会いたくて」が挿入歌となることが発表されているAdo。配信やCD発売は今のところ未定だが、抜群の歌唱力で歌い続ける限り、またもや注目を集めることになりそうだ。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)