ところが、大会が始まってみると、ミズノのロゴの露出が際立った。阿部一二三・阿部詩兄妹の同日金メダルなども含め、史上最多の金メダル9個を獲得した柔道の道着の左肩と右足元にはミズノのランバードが光っていた。
団体で銀、橋本大輝が個人総合で金メダルを取った体操選手の右胸と左腰にもミズノのロゴがあった。13年越しの2連覇を成し遂げたソフトボールのエース・上野由岐子のユニフォームの右胸、足元、帽子に着いていたのもミズノのロゴだった。
他にも団体で銀メダルの女子卓球、安藤美希子が銅メダルとなった重量挙げ、入江聖奈が女子で史上初の金メダルを獲得したボクシングなど、選手たちの胸にはミズノのロゴがあった。
「オリンピックはじめ日本代表のユニフォームに採用されるかは各競技団体との日頃の付き合いも大きく関係してくる。そのため担当者がメジャー、マイナーに関係なくこまめに顔を出している。スポーツの祭典であると同時に、スポーツメーカーの担当者にとっても日頃の努力の発表の場でもある」(国内スポーツメーカー担当者)
開幕前はアシックスのひとり勝ちと思われたが、そうとは限らなかったわけだ。
「おまけに表彰式では公式ユニフォームを着用するためアシックスのロゴがついていたが、表彰台でメダルを右手で持ち上げる選手が多いため、スポーツ紙の写真ではアシックスのロゴが隠れることが多かった」(前出のスポーツ紙記者)
水泳は記録を左右するということで個人の契約メーカーの水着やキャップを使用しているが、個人メドレー2種目で金メダルに輝いたほか大橋悠依や池江璃花子がミズノの水着とキャップを使用していたことで注目された。ミズノのひとり勝ち状態だった。